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2023 年度 実施状況報告書

発達障害のある思春期女子の感覚調整障害による困難の解明と自己制御支援モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K10882
研究機関熊本大学

研究代表者

大河内 彩子 (井出彩子)  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70533074)

研究分担者 松永 信智  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (10363508)
前田 ひとみ  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
藤村 一美  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (80415504)
藤岡 徹  福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (80770594)
金森 弓枝  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 講師 (70781920)
秋月 百合  熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (90349035)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードASD / ADHD / VR / 虐待 / 感覚 / 性 / 思春期 / 施設
研究実績の概要

1)発達障害は児童虐待のリスク因子であり、発達障害に加えて被虐待経験のある思春期児童生徒の感覚特性の評価システムの開発を行った。ASDやADHDなどの発達障害があり、児童虐待の既往がある子ども(DM群)、発達障害のある子ども(DD群)、定型発達の子ども(TD群)の感覚特性を仮想現実(VR)と自記式質問紙調査によって評価した。その結果、「先生」を注視する時間は、DM群とTD群で有意に異なり、他者を注視する時間もDM群の方がDD群やTD群よりも長かった。さらに、感覚評価のスコアは、DD群とTD群で有意に異なり、心拍知覚テストとインテロセプション評価得点に有意差があった。トラウマと発達障害をもつ子どもは、発達障害のみの子どもや発達障害のない子どもとは異なる感覚特性をもっている可能性があり、特性に沿った支援が必要であることを明らかにした。①性自認の悩み、②社会性の課題、③スティグマ化、④性行動や性被害の問題、⑤受援の困難、⑥当事者研究の必要性、⑦親の心理的苦痛が明らかになった。成果として、英語論文出版、国際学会発表を行った。
2)発達障害の中でも社会性の課題が顕著であり、性被害・性加害やジェンダー等の対応が求められる自閉スペクトラム症(ASD)児・者の性の実態と課題について、国内外の文献検討を行った。その結果、国外文献では、自閉スペクトラム症をもつ本人のニード・経験・性的指向・社会的能力・感覚を質や量的手法により明らかにした研究が多いことが明らかになった。一方、国内文献は親の会を経由した調査であり、知的障害合併例が多いことが示された。成果は、日本語論文として公表した。
3)その他、発達障害に関連する内容の学会発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

発達障害児の感覚特性を評価するシステムの開発は順調に進展している。また、思春期発達障害児・者の性の課題に関する研究もおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

発達障害児の感覚評価システムについては、より簡便な計測方法を検討し、社会実装を目指す。また、視覚以外の感覚特性の評価方法を検討する。データ収集をさらに進め、思春期の特徴を解明する。性の課題について、その実態を発達障害児・者を対象とした調査により明らかにし、感覚特性との関連を考察する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響により、現地開催の海外学会での発表を差し控えたり、国内出張を控えたりしていたため、旅費として予定していた額を執行していないため、次年度使用額が生じた。今年度は、学会発表や出張を積極的に行う予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Assessment of Sensory Processing Issues in Children with Neurodevelopmental Disorders and Experiences of Maltreatment2024

    • 著者名/発表者名
      Ide-Okochi Ayako、He Mu、Tokieda Tomofumi、Nakamura Satsuki、Matsunaga Nobutomo
    • 雑誌名

      Children

      巻: 11 ページ: 216~216

    • DOI

      10.3390/children11020216

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 自閉スペクトラム症児・者の性の実態と課題2024

    • 著者名/発表者名
      大河内彩子, 金森弓枝, 谷川千春, 秋月,百合
    • 雑誌名

      熊本大学医学部保健学科紀要

      巻: 20 ページ: 20-27

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 看護教員が不器用だと認識する看護学生に対する教育支援2023

    • 著者名/発表者名
      野口久美子, 大河内彩子
    • 学会等名
      第43回日本看護科学学会学術集会
  • [学会発表] 発達障害児の母がもつネットワークの中で正負の影響を受けて子育てをする体験2023

    • 著者名/発表者名
      谷川千春, 大河内彩子, 金森弓枝
    • 学会等名
      第43回日本看護科学学会学術集会
  • [学会発表] 日中保護者が認識するしつけと虐待の境界:Q方法論を用いた調査2023

    • 著者名/発表者名
      何慕, 大河内彩子
    • 学会等名
      第82回日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] 児童養護施設における業務継続計画(BCP)策定の準備状況に関する質問紙調査2023

    • 著者名/発表者名
      中村五月, 大河内彩子, 谷川千春, 何慕
    • 学会等名
      第82回日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] 子どもネグレクト対応の意思決定に係る保健師の自己評価尺度の開発2023

    • 著者名/発表者名
      緒方彩乃, 大河内彩子
    • 学会等名
      日本地域看護学会第26回学術集会
  • [学会発表] 看護教員が認識する不器用な看護学生のイメージ2023

    • 著者名/発表者名
      野口久美子, 大河内彩子
    • 学会等名
      日本看護研究学会 第49回学術集会
  • [学会発表] Sensory characteristics of children at developmental risk due to individual and environmental factors: Comparison of children with and without developmental disabilities and child abuse2023

    • 著者名/発表者名
      Ayako Ide-Okochi, Mu He, Satsuki Nakamura, Shota Uchinono, Tomofumi Tokieda, Nobutomo Matsunaga
    • 学会等名
      The 11th Congress of The Asian Society for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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