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2021 年度 実施状況報告書

助産師と協働した児童養護施設のリプロダクティブ・ヘルスケア実施体制の構築と検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K10883
研究機関岩手県立大学

研究代表者

福島 裕子  岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40228896)

研究分担者 伊藤 沙織  岩手県立大学, 看護学部, 助教 (40838299)
木地谷 祐子  岩手県立大学, 看護学部, 講師 (60468113)
山内 侑里  岩手県立大学, 看護学部, 助手 (30910864)
佐々木 亮平  岩手医科大学, 教養教育センター, 助教 (70587914)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード児童養護施設 / リプロダクティブ・ヘルス / 思春期 / 性の健康指導 / 性的虐待
研究実績の概要

研究Ⅰ:開発したリプロダクティブ・ヘルスケアモデルを児童養護施設で活用するための研修ニーズや課題の明確化(令和3年度)

児童養護施設で働くスタッフが、入所している児童・生徒の性の健康支援において、困難と感じていることや学びたいと思うニーズについてなきらかにするためにA県の1か所の児童養護施設において、無記名の質問紙調査を実施した。調査に当たり、調査目的や意義、無記名調査であり強制ではないことといった倫理上の配慮のほか、「性の健康支援」についてどういうことを指すのかについて、紙面により説明をして実施した。35名のスタッフに、紙媒体およびGoogleフォームにより質問紙への回答を依頼し、10名から回答があった。
性の健康支援の困難としては「小学生に対してどう伝えればいいのかわからない。」「具体的にどうすればいいのか、難しい」「学年や児童に合う健康学習が、どのような内容で伝えたら良いのか分からず戸惑ってしまう時がある。」「職員の認識を一致できていない」など、具体的な支援の方法についての困難感が多かった。性の健康支援で知りたいことは何か、という質問には「子供の認識をどう確認すればいいのか」「対応の仕方を知りたい」「どういう援助方法があるのか」「性指導の大枠や枠組みを知りたい」といった具体的な向き合い方や方法へのニーズが高かった。また「職員の学び方」という記述もあった。さらに性的虐待を受けた子どもからその事実を打ち明けられたときにどうするか、という問いには「まず傾聴する」「否定しない」「受け入れる」といった初期行動は回答ができていたが、その後に施設でどのように共有しどのように長期的支援につなげるかの具体的な見通しは持てていないことが推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では質問紙調査のほかに、施設スタッフを対象としたグループインタビューも実施する予定であった。しかし新型コロナウィルス感染拡大のため、施設内に出入りすることが制限されていたため、グループインタビューは実施できなかった、しかし1施設で質問紙調査を行うことができ、今後の協働に向けた方向性・関係性を構築することができた。

今後の研究の推進方策

研究協力が得られた児童養護施設スタッフとワーキンググループを構成し、新型コロナウィルスの感染拡大に留意しながら、研究Ⅰの調査結果をもとに協議し、児童養護施設スタッフ向けの研修モデルを構築する。また、施設職員が実際に活用できる「リプロダクティブ・ヘルスケアガイドブック」を作成し、研修の教材とする。研修の講師は助産師である申請者らとSANE(性暴力被害者支援看護職)とし、スタッフの負担にならないよう児童養護施設内で研修をする予定である。また、研修を受講した施設スタッフと助産師がどのように協働してケアを実施するか、協力施設の状況や要望に応じて具体的に構築する。例えば、思春期女子への集団教育を助産師と施設スタッフがTeam Teachingで実施し、継続的な女子への個別ケアをスタッフが実施し、助産師が助言やサポートをする・・・などの体制である。

次年度使用額が生じた理由

施設スタッフを対象としたグループインタビューも実施する予定であった。しかし新型コロナウィルス感染拡大のため、施設内に出入りすることが制限されていたため、グループインタビューは実施できなかった。また、関連学会等に参加する旅費についても、遠隔開催が多かったために使用しなかった。次年度は、感染拡大の状況次第ではあるが、児童養護施設スタッフとワーキンググループを構成し、
グループインタビューや研修の実施など、研究活動の枠を拡大していく予定であり、そこに繰り越しの予算を使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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