研究実績の概要 |
通常学級に在籍する学童期の発達障害の心配がある子どもの母親の子育て困難について、定型発達児の母親との比較においてその特徴を明らかにすることを目的に、小学校の通常学級に在籍する児童の母親2,664名を対象に質問紙調査を行った。調査内容は、母親と子どもの属性、母親の自己肯定感、母親の心身の健康、サポート環境、子育て困難感、母性意識で構成した。子育て困難感は,先行研究として実施した発達障害児の母親へのインタビューで抽出された49項目を使用した。1,351名から回答があり,分析に使用する変数に欠損値のない1,132名(83.8%)を分析の対象とした。学童期の子育て困難感尺度の探索因子分析を行い7因子28項目の困難感尺度(モデル適合指標,GFI=0.900,AGFI=0.876,CFI=0.902,RMSA=0.061)を作成した。子どもの発達障害の傾向を心配している母親は,そうでない母親と比較し,子育て困難感尺度のすべての下位尺度において有意に子育て困難感が高かった。
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