研究課題/領域番号 |
21K10892
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
高橋 恵美子 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10300386)
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研究分担者 |
谷口 敏代 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10310830)
山下 一也 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30210412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害 / 通常学級 / 母親 / 困難 / 子育て支援 |
研究実績の概要 |
通常学級に在籍する学童期の発達障害の傾向がある子どもの母親の子育て困難について、定型発達児の母親との比較においてその特徴を明らかにすることを目的に、小学校の通常学級に在籍する児童の母親2,664名を対象に質問紙調査を行った。調査内容は母親と子どもの属性、母親の自己肯定感、母親の心身の健康状態、サポート環境、子育て困難感、母親の意識で構成した。子育て困難の質問項目は、発達障害児の母親への面接調査にて明らかにした子育て困難を基に、先行研究で報告されている子育て困難を基に作成した49項目を使用した。1,351名から回答があり、分析に使用する変数に欠損値のない1,132名(83.8%)を分析した。学童期の子育て困難尺度の探索的因子分析を行い7因子28項目の困難尺度(モデル適合指標,GFI=0.900,AGFI=0.876,CFI=0.902,RMSA=0.061)を作成した。発達障害の傾向がある子どもの母親は、そうでない母親と比較し,子育て困難尺度の全ての下位尺度において有意に子育て困難が高かった。また、その子育て困難に影響を与える要因については,母親の自己肯定感〈信頼〉と〈過去受容〉,心身の健康状態が影響を当てることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、通常学級に在籍している学童期の発達障害の傾向がある子どもの母親の子育て困難についてその要因を明らかにし、母親への介入モデルを構築することである。現時点での研究の進捗状況は、通常学級に在籍する児童の母親に対する質問紙調査を実施し、学童期の発達障害の傾向がある子どもの母親が抱える子育て困難とその関連する要因について分析し明らかにするところまでが完了した。2022年度には母親への介入プログラム作成へ着手する計画であったが、分析に時間を要したため、そこまでに至らなかった。今後、母親のへの介入モデルの構築に着手予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまで明らかにした発達障害の傾向がある子どもの母親の子育て困難と関連する要因を基盤として、母親への看護介入のプログラムを作成し効果の検証を行う。学童期の発達障害の傾向がある母親への看護介入モデルを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定した学会への旅費等の主出がなかった事。研究の進捗がコロナ禍によりやや遅れたことによる事業費用の支出がなかったことによる。遅れている介入研究に着手するための費用および成果物の作成および研究成果の公表のために使用する。
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