研究課題/領域番号 |
21K10894
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
中田 かおり 東邦大学, 看護学部, 講師 (80768929)
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研究分担者 |
跡上 富美 久留米大学, 医学部, 准教授 (20291578)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 男性 / プレコンセプションケア / 生殖年齢 / プログラム評価 |
研究実績の概要 |
1年目である2021年度は、①文献レビュー、②生殖年齢にある男性(5名程度)を対象としたグループインタビュー、③男性不妊治療経験がある男性(3名程度)に対する個別インタビューを実施し、④男性に対するプレコンセプションケア啓発に関するプログラム案を作成する予定であった。しかし、②については、インタビュー内容が生殖に関することであるため、倫理的配慮から個別インタビューへ変更した。③と④については着手することができず、2022年度にスケジュールを見直していく予定である。 2021年度の研究実績の概要は、次のとおりである。 ①プレコンセプションケア及び生殖医療の動向について、文献レビューと学術集会参加により、情報収集を行った。従来、女性を対象としたプレコンセプションケアは行われてきたが、現在は、男性不妊の治療や思春期からの性教育が注目されている傾向が確認された。 ②生殖年齢にある男性に対するインタビュー調査を実施した。【対象者】24歳から34歳の子どものいない男性10名。組み入れ基準は、就労していること、妻・パートナーが妊娠中ではないこととし、不妊治療経験のある人は除外した。【研究方法】インタビューガイドを用いた半構造化インタビューを行った。一日の過ごし方、生活習慣(食事、運動、睡眠等)、妊孕性のリスク因子(喫煙、肥満、飲酒等)の実態と心掛けていることについて聞いた。生活行動改善を促進する要因、妨げる要因についてインタビューを行った。調査期間は2022年1月から3月であった。インタビューは、COVID-19の感染状況に配慮し、対面または遠隔(ZOOM)で行った。【倫理的配慮】研究協力にあたっては参加者の自由意思を尊重し、プライバシーの保護、匿名性の保持等について説明して実施した。【分析方法】インタビュー内容を逐語録に起こした。2022年度に質的記述的に分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響により、研究協力施設への協力依頼などが困難を極めた。特に不妊治療経験男性については、研究協力施設を通しての依頼を予定していたため、施設への協力依頼ができない現状では、研究参加者のリクルートは難しい状況であった。次年度以降、研究協力施設の感染対策状況に合わせて研究協力者のリクルートと調査を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1年目(2021年度)に実施できていない男性不妊の治療経験がある男性に対するインタビューは、2022年度に実施する。プレコンセプションケアの啓発に関するプログラム案については、インタビュー内容を分析し、その結果を活かして作成していく。具体的には、2021年度に実施したインタビューから、男性に対する啓発には、視覚的な訴え(見える化)が必要ではないかと感じている。インタビュー内容をデータに忠実に分析することにより、プログラム案への示唆が得られると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
1年目(2021年度)は、学術集会の開催がオンライン開催であったため、学会参加費用は生じたが交通費や宿泊費は生じなかった。生殖年齢の男性10名に対するインタビューは、10名中9名が遠隔(ZOOM)によるインタビューであったため、交通費や会場費が生じなかった。不妊治療経験のある男性に対するインタビューは、実施していないため、謝礼等の費用が生じなかった。以上のことから、2021年度に未使用額が生じた。 2022年度の使用計画としては、①不妊治療経験のある男性に対するインタビューを実施し、それに関する費用が生じる。②プレコンセプション啓発のプログラム案作成にあたっては、動画やイラスト等を使用する可能性があることから、その費用が生じる。③プログラム案作成にあたっては、栄養学や運動、不妊治療専門医等の有識者の意見聴取が複数回必要になる可能性があるため、謝礼が生じる。
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