研究課題/領域番号 |
21K10895
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研究機関 | 駒沢女子大学 |
研究代表者 |
水野 真希 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (60547181)
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研究分担者 |
杵淵 恵美子 駒沢女子大学, 看護学部, 教授 (60245389)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 母子保健 / 虐待 / リプロダクティブライツ / 家族計画 / 夫 |
研究実績の概要 |
近年、児童虐待の増加に加え、妊産婦のうつ病が年々増加し、妊産褥婦の自殺が産科異常による母体死亡を上回っている。このようなハイリスク妊婦の特定と支援に向けて厚生労働省をはじめ、行政機関や医療機関では特定妊婦の目安となる指標(アセスメントシート)が開発されている。しかし、妊娠した女性に着目したリスク項目が多く、パートナーの家族背景や妊娠に対する受け止め、児への言動などDVや虐待リスクのあるパートナーを特定するための項目が非常に少ない。妊娠中そして産後の女性の心身の健康はパートナーである男性の影響が大きく、出産後は母親だけでなく父親も子どもの健やかな成長発達に大きな影響を及ぼすことから、妊娠早期から妊婦だけでなくパートナーへの支援が求められる。そこで本研究では、妊娠した女性のパートナーが母子の健康に及ぼす影響因子を探り、妊娠早期から支援を必要とする妊婦だけでなく、父親となる男性も特定できるようなアセスメントシートを開発することにより包括的な周産期支援の提供を目指すことを目的としている。 当該年度では、パートナーが母子の健康に影響を及ぼす要因を抽出するために、国内外の文献調査からパートナーが母子の健康に影響を及ぼす可能性のある要因を抽出していく。また学会や虐待支援団体(NPO)やDV加害者への支援を行っている団体からのヒアリングも行い、リスク因子として高い項目を抽出していくことを計画していた。文献調査では、パートナーの家族背景や学歴、夫婦関係などが影響していることが特定された。一方、ヒアリング調査に関しては対象施設への調査実施に向けた研究協力依頼を実施しているが、Covid-19の影響で協力施設が少なく十分な調査が実施できていない。今後も協力施設を増やすため、地域を拡大して依頼を継続していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19の影響で対面での研究打ち合わせやヒアリング調査が行えず、感染状況が落ち着くまで持ち越しとなっている。支援団体も感染状況により通常の支援が制限されており対象者の選定も困難になっている。協力施設も少なく、研究データを集めるまでの数が確保できていない。
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今後の研究の推進方策 |
感染状況にもよるが、感染対策をしながら調査対象者が安心して研究協力が得られるよう説明と対策を行うと同時に、オンラインによる調査が実施できるよう調査方法を再構成していく。また、協力施設が少ないため、地域を広げて依頼を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の感染拡大の影響で研究協力施設の確保が難しく調査が遅れているため次年度以降に調査の継続が生じたため。
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