研究課題/領域番号 |
21K10897
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研究機関 | 中京学院大学 |
研究代表者 |
北林 由紀子 中京学院大学, 看護学部, 教授 (60868959)
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研究分担者 |
鵜野 安希子 中京学院大学, 看護学部, 講師 (60879766)
宮良 淳子 中京学院大学, 看護学部, 講師 (90597949)
角谷 あゆみ 中京学院大学, 看護学部, 講師 (10837678)
古田 雅俊 中京学院大学, 看護学部, 教授 (40413637)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 災害時 / 避難所 / 困難 / 不安 / 集団生活 / 支援 |
研究実績の概要 |
近年の日本では多くの災害が発生しており、多くの被災者が避難所生活を余儀なくされている。避難所生活における高齢者や身体に障害のある人への対応やケアは検討されているが、発達障害児に対する対応やケアの検討は十分におこなわれていない。災害時に避難所生活を送ることになった場合、発達障害のある児をもつ家族は健康な子ども達に比べてはるかに多くの困難を生じると予測される。実際に被災した発達障害児の反応や困難を記載した文献は非常に少ない。また、東日本大震災後より、災害対策に関する具体的な活動は加速しているものの、子どものケアについて言及しているものは少なく、発達障害を抱え特別な支援を必要とする子どもをもつ家族が感じている災害時の不安やニーズについては解明できていない。さらに、災害時における在宅療養の自助の対応と、事前の対策を段階的に高めるべきという見解から、災害に備える訓練の必要性が指摘されている。発達障害児とその家族を対象とした支援プログラムについての研究論文は見当たらないため、本研究では、承諾を得た家族にインタビューを行い、家族の不安やニーズを明らかにし、災害時に発達障害児とその家族が安心して避難所に避難できるような支援プログラムの構築をしていくことを目指す。支援プログラムを構築することは、防災や災害による2次的障害を防止することに繋がり、子どもの健康の維持・増進のために必要不可欠となる。 現在、研究の対象となる家族を30組予定しているが、そのうちの11人のインタビューは実施済である。さらに、7人の家族からのインタビューの予定が入っているが、最終目標の30組までインタビューがとれるように遂行していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大幅に遅れた理由はコロナ禍でなかなか収束がつかなかったことと、発達障害児とその家族の予防接種が進まなかったことが挙げられる。そのため、家族へのインタビューを実施する場所は施設を借りて行う予定であったため施設の使用ができなかったことや、発達障害児とその家族への接触ができなかったためである。当初の計画より1年近く遅れてしまったが、現在では予防接種が実施されているため毎週1回のペースで、平均3人程度の家族へのインタビューを行っている。30組の家族のインタビューを計画しているが、現在では11組の家族が終了している。
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今後の研究の推進方策 |
家族から得られたインタビュー内容から、発達障害児をもつ家族が抱く避難所生活での不安や困難だと感じること、また、どういう支援を臨んでいるか等を聞く。インタビューの内容からコードを起こし、サブカテゴリ―とカテゴリーを抽出し、個々の分析結果から家族の不安とニーズの類似性を引き出す。今後はさらに、インタビュー調査の内容をもとに自記式質問紙を実施し、避難所生活の訓練・体験において支援プログラムを実践し、それを評価し課題への対応行い、避難所生活において求められる支援プログラムの構築へと進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はコロナ禍だったため、施設で実施させてもらう家族へのインタビューができなかったので大幅におくれてしまい、予算が使いきれなかった。次年度は、インタビューの結果を集約して整理していくために、パーソナルコンピューターを購入して情報の整理を行う。またこれからさらに、インタビュー調査の内容をもとに自記式質問紙を作成して調査を行う予定なので、SPSSの購入は必須で、整理した情報のデーター分析がおこなえるように計画している。
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