研究課題/領域番号 |
21K10902
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
古賀 綾 福岡大学, 医学部, 助教 (60847515)
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研究分担者 |
佐久間 良子 福岡大学, 医学部, 教授 (80554758)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 乳児院 / 乳児院看護職 / 保育看護 / 多職種協働 / 児童虐待 |
研究実績の概要 |
本研究では、乳児院看護職が抱える乳児院で看護を実践するための課題や保育士等との多職種連携の中で養育を行う上での具体的な課題を探索し、乳児院看護職の専門性を活性化する支援プログラムや保育士を含む養育上の課題解決プログラムの開発を試み、保育看護の質向上に寄与する。また、地域の乳児院の連携を強化するプログラム開発を実践的に試み、結果を吟味し乳児院看護職の専門性向上を目指す。 令和3年度は新型コロナ感染症の影響もあり、施設に入所する乳幼児への影響を考慮し、外部者が施設職員と交流を持つことや、施設に訪れることについて対象の乳児院との調整がつかず難航した。インタビューや保育看護の場面のエスノグラフィーについて乳児院へ訪れる交渉を重ねていたが、度重なる新型コロナ蔓延防止宣言や福岡県コロナ警報の発出により頓挫した。更に、当該施設がグループホームへ細分化されることによる多や施設職員の人員交代で対象になる看護職の減少等の施設側の理由により、令和3年末に令和3年度については研究実施が困難であることとなり、令和4年度に向けて新たに調整を進めている状況である。 福岡県の乳児院施設長と調整を進める中で、現在は乳児院の小規模家庭的施設移行の進捗状況、つまり、乳児院という形態を各施設の方針により小規模に変化させ、一乳児院からいくつかのグループホーム化を目指している中で、各施設の人材整備状況や人材育成の調査は看護職員だけでなく、対象を広げて調査する必要があることが分かったため、保育看護を協働して行う保育士も対象とし研究を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度は新型コロナ感染症の影響もあり、施設に入所する乳幼児への影響を考慮し、外部者が施設職員と交流を持つことや、施設に訪れることについて対象の乳児院との調整がつかず難航した。感染状況を鑑み、インタビューや保育看護の場面のエスノグラフィーについて乳児院へ訪れる交渉を重ねていたが、度重なる新型コロナ蔓延防止宣言や福岡県コロナ警報の発出により頓挫した。更に、当該施設がグループホームへ細分化されることによる施設職員の人員交代等で対象になる看護職の減少があるという施設側の理由により、令和3年末に令和3年度については研究実施が困難であることとなり、令和4年度に向けて新たに調整を進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度はまずは当初の予定である乳児院看護職にインタビュー調査を開始への調整を重ねる。インタビューが今後も難しい場合に備えて、オンラインや他の回答形式を検討する。 他に、令和2年度までに調査がすでに終了している全国乳児院看護職調査事例239例から「乳児院看護職が考える乳児院が抱える課題」、「ケアニーズの高い入所児へ継続した看護を行うために工夫していること」分析し、論文発表を行い、その成果より課題の具体例について乳児院1施設おいてシミュレーション研修を検討する。乳児院看護職だけでなく、保育看護を協働して行っている施設職員(保育士)対象とし、小規模のシミュレーション研修(小児モデルを使用した心肺蘇生法や事故予防研修、アレルギー対応研修等)を企画し、その中でのグループディスカッションによる調査や研修前後の質問紙調査を検討している。乳児院看護職に感染症への不安のない方法で行えるよう調整を図る。インタビューやグループディスカッションでは、乳児院で保育看護を行う看護職や保育士のそれぞれの専門性と役割、協働で保育看護を行う課題を①保育看護を行う看護職や保育士のそれぞれの専門性と役割②協働で保育看護を行う課題について探索する。 令和5年度以降は、明らかになった乳児院での養育上の課題と令和4年度に研究や研修を行った施設の結果を踏まえ、乳児院看護職の専門性を活性化する支援プログラム構築にむけ、研修機会を福岡県と北部九州圏内の乳児院に拡大し試行する。その後、協力施設周囲の地域・地方における乳児院間へ試行プログラムのフィードバックを行い、また施設間の関係強化を図るプログラムを開発し、模索する。終了後、プログラムの検証、全国的に保育看護の専門性を図るシステムへの提言、フィードバックを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
協力を仰いでいた施設において、新型コロナ感染症の影響もあり、施設に入所する乳幼児への影響を考慮し、外部者が施設職員と交流を持つことや、施設に訪れることについて対象の乳児院との調整がつかず難航した。感染状況を鑑み、インタビューや保育看護の場面のエスノグラフィーについて乳児院へ訪れる交渉を重ねていたが、研究が進められる確信が持てず最初に必要とした物品以外の購入を控えた。他の支出についても、令和4年度以降へ持ち越された研究計画や研修の内容変更に伴う支出を考慮し次年度に持ち越しとした。 令和4年度は、昨年度の調査予定を再開し、同時に小規模研修を予定し、それに伴う予算使用を検討している。また、学会発表等成果についても報告を予定する。
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