研究課題/領域番号 |
21K10908
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中込 さと子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (10254484)
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研究分担者 |
徳武 千足 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (00464090)
芳賀 亜紀子 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (10436892)
鮫島 敦子 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (50759363)
金井 誠 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60214425)
豊岡 望穗子 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (90865643)
河内 浩美 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (60387321)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人工妊娠中絶 / セクシャルリプロダクティブヘルス・ライツ / 修正版グランデッドセオリーアプローチ |
研究実績の概要 |
今年度は、SRHRに専心しアボーションケアに取り組む助産師のケアプロセスを記述する研究を行った。研究デザインは質的記述的研究であり、分析手法はM-GTAを用いた。助産師44名の協力が得られた。インタビューガイドは、2014年のWHO安全な中絶のための臨床実践の手引きを用いた。データ収集期間は、2022年3月から8月であった。44名は助産師経験は3~40年(平均14.8年)であった。就業場所は53.3%が診療所であった。中絶ケア経験数は30例以上ある者が32名であった。初めて中絶処置に立ち会ったのは大半が入職後2-3年目であり、その半数が1年未満で経験した。 生成されたカテゴリー、サブカテゴリ―の関連から、ケアプロセスの全体像をストーリーラインとして示した。カテゴリー【】、サブカテゴリ―[]、概念で表した。助産師による中絶ケアのプロセスは、基盤となるケア行為を表す中心的なカテゴリーである【女性自らが自分の人生を選択し、今後の人生を歩めるように支える】と、中絶前のケアを表す【女性自らが自分の人生を歩めるように支える】【女性の決定通りにケアを進める】、中絶処置時のケアを表す【安心・安全に中絶処置を受けられるように支える】、中絶後のケアを表す【今回の中絶を終えて、女性が自分の人生を歩めるように支える】に分類できた。 【女性自らが自分の人生を選択し、今後の人生を歩めるように支える】は、中絶前・中絶処置時・中絶後のケアのすべてに影響をするケア行為を表したカテゴリーであり、[助産師自身の考えや感情を表明しない]、[女性に対して尊厳を持つ]、[女性の感情を揺さぶる要因を取り除く]から構成され、すべての時期に行われるものであった。 2023年には経口中絶薬導入に向けて、日本の助産ケアの視点からアボーションケアを構築する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年の一般女性と男性に対するSRHRに関する調査に引き続き、日本の助産師へのアボーションケアプロセスを記述した。
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今後の研究の推進方策 |
日本の産科医療現場で実施可能な助産師のアボーションケアのベストプラクティスを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
発表を予定していた学会がオンラインに切り替わったこと、研究協力者を当初50人としていたが、44名で終了したこと。
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