研究課題/領域番号 |
21K10922
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
玉村 尚子 獨協医科大学, 看護学部, 講師 (50738771)
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研究分担者 |
横山 由美 自治医科大学, 看護学部, 教授 (30263700)
吉原 重美 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80220713)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 食物アレルギー / 保育所 / 研修プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、食物アレルギー児が安全に園生活を送るために保育士が食物アレルギー児に対応でき、かつ保育所全体で組織的に対応する体制を構築するために保育所における食物アレルギー児への対応力を高めるための研修プログラムを開発することを目的とする。 2022(令和4)年度は、栃木県保育協議会に加入している保育所を対象にアンケート調査を行い、140名(回収率68%)から回答を得た。回答者は、園長・副園長17.1%、主任保育士75.6%であり、99.3%の保育所が食物アレルギー児を受け入れていた。保育中に食物アレルギー症状が出現した保育所は17.9%、そのうち64%が指摘されていない食材であった。アドレナリン自己注射が処方されている児を受け入れている保育所は52.9%であった。研修会に参加しやすい曜日は、平日の午後(16時まで)であった。e-ラーニングを1回に視聴できる時間は、30分以内が26.4%、60分以内が50.7%であり、e-ラーニング研修に89.3%が参加したいと回答しており、そのうち78.6%が仕事時間を希望していた。 また、全国508名のアレルギーエデュケーター(以下,PAE)を対象にWEB調査を実施し、104名(回収率20%)から回答を得た。職種は、看護師71%、管理栄養士18%、薬剤師11%であった。50%のPAEが就学前施設や学校を対象とした食物アレルギーに関する研修会を実施しており、そのうち84%がPAE看護師やアレルギー専門医と共に実施していた。研修会は年に1回29%、2~5回が30%、時間は、1時間以内37%、1~2時間以内52%であり、92%が平日に実施し、時間帯は12時~16時が60%と多かった。課題は、研修会後も継続的に知識や技術を維持することであった。そのため、保育所職員が継続的に学習できるシミュレーション教育も含めた開催方法を検討する必要があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021(令和3)年度は、新型コロナウイルス感染症の影響や所属機関の生命倫理委員会の倫理審査の申請段階のため、予定していた栃木県内の保育所の園長や主任保育士を対象とした調査や全国のアレルギーエデュケーターを対象とした調査を実施できなかった。そのため、2022(令和4)年度は、昨年度に予定していた調査を実施した。現在、調査結果をもとに保育所における食物アレルギー児への対応力を高めるための研修プログラム内容を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
所属機関の倫理審査を得て、2022(令和4)年度に予定した保育所における食物アレルギー児への対応力を高めるための研修プログラムのプレテストを実施、評価し、研修プログラムを修正する。つぎに2023(令和5)年度に予定している栃木県の6つの保健医療圏の園長または主任保育者を対象に研修プログラムを実施し、研修プログラムを評価する。その後、報告書作成および日本小児臨床アレルギー学会、日本小児アレルギー学会で本研究の成果を報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、研修プログラム開催のため、研修プログラムの作成費用や研究協力者への謝金、消耗品の購入を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初の予定より研修プログラムの開催が遅れている。2023(令和5)年度に研修プログラムのプレテスト、研修プログラムを実施する予定である。
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