研究課題/領域番号 |
21K10937
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮田 潤子 (秋吉潤子) 九州大学, 医学研究院, 講師 (20380412)
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研究分担者 |
濱田 裕子 第一薬科大学, 看護学部, 教授 (60285541)
川田 紀美子 香川大学, 医学部, 教授 (70709592)
藤田 紋佳 九州大学, 医学研究院, 助教 (10437791)
森口 晴美 九州大学, 医学研究院, 助教 (40835477) [辞退]
小幡 聡 九州大学, 大学病院, 助教 (30710975)
桐野 浩輔 九州大学, 大学病院, 助教 (00621707)
植木 慎悟 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10779218)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 難病 / 支援 / 移行期医療 / 総排泄腔遺残症 / 総排泄腔疾患 |
研究実績の概要 |
患者の声を直接聞き、問題点を明らかにすることで、患者目線でのニーズに即した支援の在り方の検討を目的とし、患者・家族と医療者による交流会での意見と本疾患患者に対するインタビュー研究を行った内容より、本疾患の移行期医療における問題点を抽出した。告知、セクシュアリティ、排泄障害とキャリアアップの難しさ、経済的困難、医療情報の不足等が列挙された。問題解決のためには適切な情報提供や情報交換の機会の提供が特に重要と考えた。さらに、Web市民公開講座参加者に対するアンケート調査を行った。本疾患の患者・家族が感じる困難と問題解決に対するニーズを明らかにすることを目的とした。本疾患患者家族28名、本疾患患者9名から回答を得た。患者家族が現在感じている困難は排泄の管理と就学に関することが多く、患者本人の感じる困難は排泄・腟の管理の他、仕事やパートナー・医師との関係性といった人間関係の問題を含んでいた。患者は予後・不妊治療・交流会の情報を、患者家族は交流会・予後・セミナー・学会での取り組みの情報を特に求めていた。また、Web交流会を3回開催した。交流会参加者に患者・家族の体験手記の出版での協力を仰ぐとともに、協働で検討を開始した。2021年9月25日開催の交流会では難病患者の直面する経済的問題の支援の一助となるよう、難病を持つFP兼起業家による働き方・緩和医療保険の講演を開催した。2022年3月12日にWeb市民公開講座を開催し、総排泄腔疾患に関する講演と難病ピアサポートに関する講演を開催した。なお、これらの情報はSNSで情報発信を行った。情報ステーションとして「クロアカnetプロジェクト」サイトを立ち上げ、医療情報や患者支援情報の提供の場を作成した。患者の親の会が発足したため、会の情報周知のサポートとして紹介用リーフレットの作成を行った。次年度、全国2500以上の施設に配布予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
総排泄腔遺残症患者と家族の困難と必要とする情報についての調査が終了している。体験手記出版に関する情報を患者・家族に周知するとともに、寄稿していただくための協力依頼を開始している。アンケート内容から手記作成時に軸となる情報はリストアップされており、手記の作成に関する方向性も定まりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
体験手記出版の準備を進めていく。具体的な軸となるテーマを精査し、患者・家族に対して寄稿依頼をかけていく。患者との交流会、市民公開講座も引き続き継続し、寄稿いただける方を募る。2022年3月12日開催の市民公開講座でのアンケート結果を分析し、2021年度の結果、さらに2023年開催予定の市民公開講座でのアンケート結果をの経年的変化を解析し、我々の取り組みの成果の評価ならびに今後の方向性の検討も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は体験手記出版に向けた情報収集が主であった。次年度は出版準備を継続するとともに、アンケート結果の解析を行う。 使用計画:情報収集のための旅費、学会研究会参加費、通信費、データ保存媒体
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