研究課題/領域番号 |
21K10950
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
清水 清美 城西国際大学, 看護学部, 教授 (70323673)
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研究分担者 |
久慈 直昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (80169987)
長岡 由紀子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80315762)
入澤 仁美 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30788477) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生殖補助技術 / 提供精子 / 不妊カップル |
研究実績の概要 |
提供精子による生殖医療を実施しているまたは関連している医療機関に在職している(医師7名、看護師5名、カウンセラー3名)、および精子提供を受けたレシピエント8名を対象としインタビューを実施、医療者およびレシピエントの実態、関係性について明らかにした。 医療者はレシピエントの婚姻形態・性的指向に言及する意見はほとんどなかったが、2名の医師のみ、法律婚以外のカップルへの提供精子による生殖医療の実施には反対していた。一方、日産婦の会告で現在実施していない、提供精子による体外受精を求めている、レシピエントのどちらか一方が外国人、親からの精子提供を求めている法律婚カップル、精子提供を求めるレズビアンカップルやシングル女性の相談に対し、「電話窓口でお断りをする」、面接して「独自に収集した情報からHP等を紹介する」「他機関を紹介する」、「条件が合えば当院で実施する」の4対応に分かれた。レシピエントにおいては、選択した実施方法が、国内の登録施設で実施3名、親からの精子提供を国内で実施1名、海外のドナーバンクを利用1名、アメリカの医療機関で実施1名、台湾の医療機関で実施1名と別れた。国内の登録施設で実施したレシピエントは、すでに子どもに告知(telling)していたがドナー情報が全く分からないことに対し、特定できないまでもドナーの人となりを子どもに伝えたいと願っていた。その他のレシピエントはオープンドナーを選択しており、そのことに満足感していた。しかし、選択した技術について公に認められておらず、医療者から事前情報が得られないこと、社会からの偏見があること、情報を得るまでに多くの努力が強いられたこと、金銭的に高額であったこと等、負担や不満を感じており、国内での安全・安心・適正額での実施を求めていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において国外調査(台湾・デンマーク)における情報収集が2年連続で実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの情報および、日本人が主に選択する国外の医療機関や海外のドナーバンクの情報も含め、精子提供を検討している当事者が、適切な選択ができるような情報提供資料を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため2年にわたり国外調査が実施できていないため
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