研究課題/領域番号 |
21K10958
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
酒井 ひろ子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (90434927)
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研究分担者 |
大橋 一友 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (30203897)
川嵜 有紀 関西医科大学, 看護学部, 助教 (30572044)
松永 美希 立教大学, 現代心理学部, 教授 (60399160)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 妊婦禁煙 / アプリケーション / 行動変容無関心層 / 認知行動療法 |
研究実績の概要 |
喫煙妊婦の再喫煙率は高く、周産期合併症、周産期うつ発症のリスクのみならず次世代の乳児突然死症候群を代表とする健康被害は明らかであり、科学的根拠のある妊婦禁煙支援は急務である。申請者は、ICTを活用し禁煙への行動変容を支援するためにに、妊婦禁煙アプリケーション(以下、アプリ)の開発を目指している。喫煙妊婦の特性として、禁煙治療薬を使用できないこと、ヘルスリテラシーの低さや健康無関心層が多い事から、様々な創意工夫が必要である。 本研究の目的は、(1)喫煙妊婦に対する禁煙と再喫煙予防のためのアプリを開発する(2)アプリを用いた禁煙成果の有用性を検証する(3)長期的な禁煙継続が産後うつの予防となるかについて検討することである。令和3年度は、女性喫煙者の特徴、禁煙動機、再喫煙のリスク、女性や妊婦に有効な禁煙支援をもとに、認知行動療法を取り入れた禁煙プログラムを開発する事を予定していた。アプリは、各行動変容モデルに沿った情報提供、セルフケア力の強化、喫煙による母体や胎児、出生児、家族への影響、喫煙パターンの理解(喫煙の引き金と対処)、ストレス対処の実行、禁煙開始日の備え(周囲のサポートと努力の可視化)、再喫煙の前兆への気づきと予防策(代替行動)、妊婦健康診査時の活用法、副流煙対策、喫煙家族の禁煙推奨、体重管理、質疑応答機能、日記機能のコンテンツの開発過程である。 行動変容無関心層への対応についても検討を重ね、行動変容の各時期に沿った情報提供やアウトリーチ機能をコンテンツに加えた。さらに、ヘルスリテラシーの低い対象者への配慮として、可能な限り、専門用語を避けた、絵や写真、ノモグラムを使用したアプリを開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アプリの共同開発を目的とし、大学とベンチャーによるシステム開発委託基本契約を交わし、開発が進んでいる。6月の完成後には、パイロットスタディを予定しており、おおむね順調に研究が進展している状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は開発したアプリケーションを用いた禁煙支援を開始するが、妊婦喫煙者には、行動変容へのモチベーションの低い対象者も少なくなく、行動変容に課題を抱える対象者に対して、長期禁煙成果を評価する事への体系的な介入が必要である。 妊婦健康診査来院時におけるアプロ―チと認知行動療法をアプリ内で活用し、行動変容に向かわせるという目標志向的要素を組み合わせた介入が臨床との連携により可能となるよう調整を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリケーション開発過程の途中で年度末に予算執行をしたため、次年度に支払う開発費、サーバー費を次年度で使用する計画となった。
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