研究課題/領域番号 |
21K10960
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
東 優里子 宮城大学, 看護学群, 助教 (50756898)
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研究分担者 |
大重 育美 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70585736)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 低出生体重児 / 在宅移行 / Shared Decision Making / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究は、低出生体重児をもつ家族を対象に、医療者のどのような支援によって、Shared Decision Making(以下SDM)に基づいた退院の決定ができたのか、その影響要因を明らかにすることを目的としている。 2022年度は、2021年度に行った文献検討の結果を基に、日本国外において、低出生体重児をもつ家族が、子どもの在宅移行を意思決定する際に、SDMをどのように取り入れているか、既存文献より明らかにした。文献検討の結果、低出生体重児をもつ家族は、在宅移行の意思決定場面にて、家族自身の精神状態によって、医療者から提供される情報量、情報の提供方法に対する期待の程度が左右されていることが分かった。ストレスの高い状態にある家族は、医療者から提供された情報を全て受け入れられず、情報量の過多と感じていた。一方で、ストレスから解放された低出生体重児をもつ家族は、医療者に子どもの退院に関する多くの情報を求めていた。 以上の結果、低出生体重児をもつ家族が、子どもの在宅移行を意思決定する際に生じるSDMの要因を明らかにする際は、SDMの概念だけでなく、SDMの周辺概念も含めた調査が必要であると考えた。文献検討の結果、SDMの周辺概念には、エンパワメントが存在し、SDMとエンパワメントは、意思決定に係わるFCC(Family-Centered-Care)の中核概念であることが分かったため、概念同士の関連を視野に入れたデータ収集を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、研究者の所属異動や新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していたフィールドワークができなかったため、遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の流行状況により、フィールドワークを実施できない可能性がある。今後は、SDMの周辺概念も含めた尺度を作成し、子どもの在宅移行を意思決定する低出生体重児の家族が、どのような要因によって、SDMに基づく退院の意思決定をするのか、明らかにする必要があるため、フィールドワークの替わりに、オンライン等を活用した面接調査を行う。さらに質問紙作成にあたり、質問項目の根拠となる文献レビューを追加して行う必要がある。また綿密な研究成果を出すために、本研究分野に精通した研究分担者を追加し、研究計画を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、予定していたフィールドワークの実施に至っていないため、旅費の支出が少なく、支出が計上額より低くなった。2023年度は、データ収集に伴う物品の購入、研究協力施設における倫理審査受審等のための旅費として使用する。
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