研究実績の概要 |
本研究の目的は、フレイル高齢者および家族介護者の健康維持・向上につながる支援体制を提言することである。令和3年度は、地域在住高齢者におけるフレイルと要介護発生との関連における生活習慣・心理社会的要因の関与を媒介変数分析(mediation analysis)により定量的に調査するため、データベースを整備した。 本研究で用いるデータは、大崎コホート2006研究であり、2006年12月の調査開始時点で宮城県大崎市に在住している65歳以上の全住民31,694名を対象とした。本調査の回答者は23,901名であり、要介護認定情報の閲覧に同意しない者、調査時すでに要介護認定を受けていた者、追跡開始前に死亡・異動のあった者を除外し、解析対象者は14,774名であった。 本調査は2006年12月1日~15日に実施された。調査項目は、基本チェックリスト、疾患既往歴、喫煙状況、飲酒状況、食習慣、体重・身長、教育期間、健康状態、体の痛み、認知的活動、運動、心理的苦痛、社会的支援、社会的活動、歯の状態であった。本研究の説明変数はフレイルであり、基本チェックリストを用いて、0-3点をロバスト群(5,862名)、4-7点をプレフレイル群(4,463名)、8-25点をフレイル群(4,449名)に分類した。本研究の目的変数は要介護発生であり、2006年12月16日~2019年11月30日までの追跡期間中の新規要介護発生を調査した。約13年の追跡期間中に、追跡が不可能となった者は250名おり、追跡率は98.3%だった。また、追跡期間中に7,402件の新規要介護発生を確認した。
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