研究課題/領域番号 |
21K10964
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
西出 りつ子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50283544)
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研究分担者 |
水谷 真由美 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (10756729)
谷村 晋 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60325678)
白石 知子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (60275154)
小川 将太 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00866676)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | キャリア・アンカー / 自治体保健師 / 自己概念 / 管理期 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、管理経験のある自治体保健師のキャリア・アンカーの特徴、地域看護職の創造性・挑戦指向への関連要因、自治体保健師の創造性と挑戦指向の萌出・発達の好機を明らかにすることである。令和4年度は、地域看護職のキャリア・アンカーの特徴を明らかにすることを目的とする質問紙調査(対象:看護職経験20年以上の自治体保健師と病院看護師)の回収を終えた。65.5%の回収率であり、解析対象のうち職種別に管理経験のある者の割合は、保健師(42.6%)の方が看護師(23.8%)より有意に高かった。Career Anchors Self-Assessment/日本語版「キャリア・アンカーズ セルフ・アセスメント」(8カテゴリ40項目4段階評定)の回答結果について解析を始めたところ、自治体保健師と病院看護師にはカテゴリ別得点の分布、特に「奉仕・社会貢献(Service/Dedication to a cause)」、「純粋な挑戦(Pure challenge)」、「保障・安定(Security stability)」に違いがみられた。今後も解析を進めていく。また、自治体保健師を対象に「起業家的創造性」と「純粋な挑戦」の萌出・発達の好機を探るため、これら2カテゴリが高値であった地域看護職を面接調査の対象として抽出した。個別に協力依頼を行い、面接調査を始めたところである。今後、面接人数を増やし、対象の語りについて帰納的に分析を進める計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、看護職経験20年以上の自治体保健師と病院看護師を対象とする質問紙調査と回答結果の単純集計と、面接候補者の抽出を終えた。解析と面接を進め、結果の解釈の検討を重ねて、地域看護職のキャリア・アンカーの特徴を示していく。
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今後の研究の推進方策 |
20年以上の経験をもつ現役看護職の回答と語りからキャリア・アンカーの特徴を示すには、地域保健と地域医療における40年に渡る看護職が置かれた状況の推移を理解した上での解釈が重要となる。特に、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の爆発的な世界的拡大により、自治体保健師を取り巻く状況は激変した。面接を始めたことにより、結果の解釈において自治体保健師の職務上の状況変化とキャリアに対する考え方の最新情報を知る人材の存在が大きいことを痛感した。分析体制を整えて結果の解釈を丁寧に行い、質の高い公表となるよう論文執筆と報告の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題に関する成果を発表するところまでまとめることができなかったため、旅費や投稿に関連する出費が少なく、次年度使用額が発生した。令和5年度には、現地調査および成果発表に使用する予定である。
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