研究課題/領域番号 |
21K10973
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
田中 マキ子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (80227173)
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研究分担者 |
磯貝 善蔵 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 副院長 (20285208)
前重 伯壮 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (90617838)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 超予防 / セルフ・ポジショニング / マニュアル / 評価シート |
研究実績の概要 |
<研究の目的> 本研究では超予防的な観点に立脚し「セルフ・ポジショニング」に関する概念の確立と実践方法の検討を試みたい。患者・家族に対しては、具体的なセルフ・ポジショニング方法を明示し、ケア提供者に対しては、セルフ・ポジショニングを実践するためのマニュアルや評価シートを作成・公表する。 <研究実施計画> 2021年度行った「セルフ・ポジショニング」に関する概念整理を基に、セルフ・ポジショニングの類型化の検討を行うことが、2022年の計画であった。類型化には、臨床患者においてビデオ撮影を行い分析・評価するというものであったが、コロナ感染症の影響から、撮影が困難となったため、研究メンバーが関わったこれまでの症例等を分析し、類型化を意識しまとめた。その成果は、書籍として発表する(2023年10月発刊予定)ようにまとめた。 特に研究メンバーの磯貝は、疾患と褥瘡発生経緯・経過について、追跡的に分析し、類型化に大きく貢献する、患者の様子や傾向について検討した。理学療法士である前重は、患者の動きと支援という関係から、セルフ・ポジショニングについて言及した。研究責任者である田中は、ポジショニングに関する書籍全体を監修する他、セルフ・ポジショニングに関する観点についての意義を明らかにしている。研究申請時の計画と内容からは、方向性を少し変えざるをえなかったが、セルフ・ポジショニングに影響する要因・要素については、示唆される内容を確認した。また、3人の共同研究者間でのディスカッションを、さらに多くの各専門職者を交えたバズ・セッションが開催できなかったので、2023年度には開催する方向で計画する。 研究全体としては遅延傾向ではあるが、目指す成果に向けての微修正となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の研究計画として、申請時の内容とは、対象と方法を変えているが、セルフ・ポジショニングの類型化や、ポジショニングケの質保証に関する実践者への教育や実践方法の提示には、貢献している。 計画としては、臨床現場に出向くことへの制約が続くため、遅延傾向で進んでいる状態である。
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今後の研究の推進方策 |
3年目になる今年は、セルフ・ポジショニングの類型化について可視化する計画である。書籍として、2023年10月には発刊できるよう進めているが、セルフ・ポジショニングに関する焦点化としては弱い面があるので、評価方法の確立やパンフ、またはそれに代わる、実践を可視化できる媒体についても、同時に計画し、研究全体の遅延についてカバーできるように研究を進める。申請時に計画した聞き取り調査は、計画し実施する。実施に際しては、倫理審査許諾を得て行う。対面による聞き取り調査が実施できない可能性もあるので、zoom機能を利用したリモート面接による調査も検討する。 可能であれば、2022年実施計画であったビデオ記録による検討(倫理審査を経て実施する)を、少数症例でも可能であれば取り組みたい。症例評価を各専門職集団において分析・評価し、症例や可動に関する特徴等について、共通する要素等がみい出せたらと考える。各専門職者からの合意形成は、バズ・セッションを複数回開催し決定していきたい。zoomシステムと対面検討を併用し実施する。 検討内容は、段階的に学会発表や論文発表としてまとめる。年度末には、国際学会発表のエントリーを行い、国内外へ研究成果を還元する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症の関係から、ビデオ撮影による解析を他の方法に変えたため、計画した予算を十分に使用することができなかった。また同様に感染症の関係から専門職者のバズ・セッションを開催できず、使用面で計画と齟齬を生じてしまった。
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