研究課題/領域番号 |
21K10974
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
市戸 優人 札幌市立大学, 看護学部, 助教 (50825833)
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研究分担者 |
喜多 歳子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (30530266)
山内 まゆみ 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00322917)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ランダム化比較試験 / 性教育 / 親 / 思春期 / ナッジ理論 |
研究実績の概要 |
本研究は、思春期の子どもを持つ親を対象に家庭内における性教育を支援するプログラムを開発し、ランダム化比較試験により開発したプログラムの有効性を検証することである。本年度は下記の内容に取り組んだ。 1.国内外の文献レビュー:効果的なプログラムの開発に向け、親を対象とした家庭内性教育の支援に関するプログラムの開発と効果検証を行った国内外の文献をレビューした。文献レビューの結果、国内で開発されたプログラムはほとんど見当たらなかった一方で、海外では性感染症など思春期層の健康課題が社会的課題となっている地域において多くのプログラムが開発され、有効性が評価されていた。プログラムの多くはグループディスカッションなどの相互作用を促す手法を取り入れていた。 2.家庭内性教育支援プログラムの開発:文献レビューの結果や過去の研究活動の成果を活用しながらプログラムの開発に取り組んだ。プログラムは、講義やグループディスカッションを組み合わせ、過去の研究により明らかになった親の性教育に影響する要因の中から、性教育の自己効力感(準備要因)、ピアサポート(強化要因)、性教育の方法とスキル(実現要因)に焦点化して、アプローチを行うものとした。プログラムはナッジ理論を応用して開発を行った。プログラムは、専門家会議における検討と思春期の子どもをもつ親を対象としたプレテストにより適切性を担保した。 3.ランダム化比較試験の開始:2021年10月よりランダム化比較試験を開始した。介入試験は、両群に実施する介入内容のテーマ、内容、実施日時を同様に設定することで、単盲検試験として実施した。今後もサンプルサイズに達するまで、継続してランダム化比較試験を継続していく。なお、本介入試験は当初対面で実施する予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大が継続している状況を鑑みて、オンライン上での介入試験に変更した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献レビュー結果やこれまでの研究成果を活用しながらプログラムの開発を終えることができた。また、新型コロナウィルス感染拡大の継続を考慮し、早い段階で対面からオンライン上での介入試験に変更したことで、対象者のリクルートに苦慮したものの、プログラムの有効性を評価するためのランダム化比較試験を開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
1.ランダム化比較試験の継続:令和3年度から開始したランダム化比較試験を継続する。サンプルサイズを140名と設定しているため、140名に達するまで継続する。 2.調査結果の統計解析:サンプルサイズに達した時点で試験を終了し、2群間の主要アウトカムと副次アウトカムの統計解析を行う。 3.学会発表・論文投稿:研究の進捗に応じて、研究成果を国内外の学会における発表や学会誌への論文投稿にて公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大の継続に伴い学会がオンライン開催となり旅費がかからなかった。また、同様の理由で、ランダム化比較試験の対象者の集まりが悪かったことから、謝金の支出が予定額よりも低くなった。令和4年度も継続してランダム化比較試験を実施していくことから、謝金の支出を予定している。
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