研究課題/領域番号 |
21K10975
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
江角 伸吾 宮城大学, 看護学群, 准教授 (10713810)
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研究分担者 |
春山 早苗 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00269325)
田村 須賀子 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (50262514)
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ICT / 生活習慣病予備軍 / 特定保健指導 / 自己管理 / アプリ / スマートウォッチ / ウェアラブル機器 |
研究実績の概要 |
今年度は、前年度に引き続き協力機関が実施したICTを活用した保健指導プログラムのデータを回収した。また、特定保健指導対象者に対し、自己管理行動の継続を支援するためにスマートフォンアプリケーションと連動したスマートウォッチ(ICTツール)を提供した特定保健指導プログラムの評価を行い、ICTツール活用の効果を検討した。対象は、3施設の特定保健指導積極的支援対象者で、特定保健指導の初回時にスマートウォッチを提供し、3か月以上180ポイントの保健指導を実施した。180ポイントの使用方法については介入頻度の高いAプログラムと介入頻度の低いBプログラムの2つのプログラムのデータを使用した。 データ収集項目は、特定健診データ、個別目標達成度の自己評価、ICTツールの活用頻度、保健指導の有用感、ARCSモデルに基づくプログラム評価とした。分析は、ICTツールを週2回以上と週1回以下の活用頻度により、活用群と低活用群に分けて実施した。介入頻度の異なるAプログラムとBプログラムで脱落率を比較したところ、有意な差はなかった。活用群は、体重及び腹囲が有意に減少したが、低活用群は体重および腹囲に有意な差は見られなかった。ICTツールを活用した保健指導の有用感については、目標の設定、保健行動の実施、自己の健康状態や保健行動の観察・記録、生活習慣や保健行動の振り返り、モチベーションの維持について、活用群が低活用群より有意に有用感が高かった。プログラム評価についても、活用群は低活用群よりも注意、関連性、自信、満足感のすべてにおいて有意に点数が高かった。 本研究結果から、スマートウォッチを継続的に使用できていれば、介入頻度が少なくても脱落率には変化がなかった。ICT活用を継続することができると生活習慣・保健行動のセルフモニタリングが強化されることは本研究からも明らかとなった。一方で、各データについては今後の分析・検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究データは得られており、分析を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
現在実施している研究データをさらに追加し、プログラムごとの分析を進め、学会発表および学会誌への投稿を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿および学会発表をする予定であったが、結果分析が遅れたため、前年度に実施することができなかった。そのため、旅費や翻訳費等の支出が少なくなった。そのため、次年度は、論文投稿および学会での研究結果の公表を中心に行っていくため、研究者間での打ち合わせ等を次年度は増やす予定である。
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