研究課題/領域番号 |
21K10986
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
阿部 恵子 金城学院大学, 看護学部, 教授 (00444274)
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研究分担者 |
黒澤 昌洋 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (00586068)
泉 雅之 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (50203055)
橋本 茜 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (00642084)
谷口 千枝 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (60738251)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | プライマリケア / 診療看護師(NP) / ケアモデル / 多職種連携 |
研究実績の概要 |
2021年度から開始した本研究は、訪問看護を実践している診療看護師(NP)へのインタビュー及び参与観察を予定していた。しかし、新型コロナウィルス感染拡大のため、対面でのインタビュー及び参与観察が困難となった。2022年の年末から2023年2月の間で、山口県で活躍しているNPとは日程調整を行ったものの、新型コロナウィルス第8波と重なり、実現できなかった。一方、文献によるプライマリケア領域におけるNPの活動等を検索し、情報収集を行った。 また、3月に、シンガポール大学への診療看護師修士課程が主催するプライマリケア研修に参加する機会を得た。NUS(シンガポール国立大学)病院でのプライマリケア部門の活動、また地域の総合病院、診療所の集合体の見学及び、日本のNPに当たるAPN(Advance Practice Nurse高度実践看護師)の歴史、活動についてディスカッションできた。病院でのプライマリケアに関しては、退院後、自宅にて患者のバイタルチェックを持続的に管理するために、iPAD, 血圧計、体温等を設置していた。患者は朝晩測定し、自動送信することで、確認してもらえているという安心感が得られているとのことであった。病院では処方権を取得したAPNが、電話相談にて患者の症状を聴き取り、受診が必要か否かを判断していた。一方、地域の診療所集合体(ポリクリニック)とも連携し、状況に応じて移行していくとのことであった。 日本では、病院と地域の診療所や訪問看護ステーションとの連携が十分ではなく、再入院となるケースも少なくない。シンガポールのAPNのような連携時の狭間での迅速な対応をする活動はシームレスなケアを実践する1つのモデルとして参考となる。今後、日本のNPのプライマリ領域における活動を視察し、情報収集していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大のため、NPと患者の診療場面の参与観察が困難となったため、NPの実践状況に関する情報収集ができていない。一方で、シンガポール大学へのNP研修に参加できてことで、最終年度に予定している国際シンポジウムへの参加依頼及び、検討内容についてディスカッションできた。
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今後の研究の推進方策 |
5月8日より新型コロナウィルスが5類に分類されるため、行動制限が解除され、NPの診療への同行も可能となる。山口市、長崎市、川崎市の研究協力者と日程調整を行い、参与観察及びインタビューにて情報収集を行ない。質的分析を行い、ケアを実践する上での共通認識を抽出しケアモデルを作成していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度予定していたプライマリケアでのインタビュー及びケアの参与観察が不可能となった。その分を、令和5年度の観察内容として、長崎、山口、川崎でのインタビューと参与観察を計画する。
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