研究課題/領域番号 |
21K10991
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
水口 和香子 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20781462)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | おっくう / 高齢者 / ナッジ / 社会活動 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、高齢者学級・奉仕活動に参加しているおっくうと感じる高齢者へのナッジを用いた社会活動維持方策を明らかにし、外出頻度の減少を食い止めることである。 令和4年度は、高齢者学級・奉仕活動に参加しつつも、おっくうと感じている高齢者の外出についての実態を明らかにし、ナッジを用いた社会活動維持方策案を構築することを目的とした。令和4年4~7月、高齢者学級・奉仕活動に参加している一地方都市在住の介護保険未認定である75歳以上の住民477名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。研究への協力依頼は、各活動の責任者を通して、対象者に本研究の趣旨・倫理的配慮事項を文書にて説明した。研究への同意が得られた対象者から郵送により調査票を返送いただいた。調査票は、外出頻度、社会活動状況(内容・活動頻度)、平成29~30年度研究代表者が実施した質的研究により得られた知見である外出についての思いや考え、対象者の属性(年齢・性別・家族構成等)、身体的要因、心理的要因、社会・環境要因、外出に関する対象者の意思決定の特徴・行動変容の意思で構成した。倫理的配慮として、所属機関の倫理委員会の承認を得て実施した。結果、326名より調査票を回収することができ(回収率68.3%)、性別、年齢、基本チェックリストのおっくう項目、外出項目に欠損のない回答者287名(有効回答率60.2%)を分析対象とし、おっくうと感じている高齢者の外出の実態についてデータ分析を進めた。 令和5年3月、上記の分析データを基にナッジを用いた社会活動維持方策案を構築するため、先駆的にナッジを活用した政策提言を行っている組織に所属する3名にインタビューを行った。ナッジの基本的な考え方や活用方法・社会活動維持方策を考える上での留意点についてご教示いただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度予定していた質問紙調査が新型コロナウイルスの影響により、約1年遅れでの実施となった。令和4年度はナッジを用いた社会活動維持方策案まで構築する予定であったが、社会活動維持方策案の検討は始まったばかりの状況である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、引き続き、令和4年度に予定していたナッジを用いた社会活動維持方策案を明らかにする。研究の進捗状況としては、約1年遅れになっているが、社会活動維持方策案は入念な検討を行う。その後、構築した社会活動維持方策案を基に予定している介入研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度の計画では、高齢者学級・奉仕活動に参加しつつも、おっくうと感じている高齢者の外出についての実態を明らかにし、ナッジを用いた社会活動維持方策案を構築する予定であったが、社会活動維持方策案の検討は始まったばかりの状況にある。以上から、予定していた支出が生じなかったため、次年度使用額が生じた。 引き続き、社会活動維持方策案の構築に係る費用を令和4年度の残額で使用すると共に、令和5年度予定している介入研究を実施するため、計画的に使用する。
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