研究課題/領域番号 |
21K10991
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
水口 和香子 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20781462)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | おっくう / 高齢者 / ナッジ / 社会活動 |
研究実績の概要 |
令和5年度は、第12回日本公衆衛生看護学会学術集会にてオンライン発表を行った。内容は以下の通りである。令和4年4~7月、おっくうと感じつつも高齢者学級・奉仕活動に参加している地域高齢者の外出状況を明らかにするため、高齢者学級・奉仕活動に参加している一地方都市在住の75歳以上の介護保険未認定である地域住民にアンケート調査を実施した。287名(男性74名、女性213名)を分析対象とし、年齢は80.0±4.1歳であった。おっくうと感じている地域高齢者は62名(21.6%)であった。外出頻度は「毎日1回以上」128名(44.6%)、「2・3日に1回程度」135名(47.0%)、「1週間に1回程度」22名(7.7%)、「ほとんどしない」2名(0.7%)であり、おっくう群で有意に低かった。おっくう群では、大儀である、体も心も気持ちがよくない等という外出への思いが非おっくう群に比べ有意に高かった。しかし、歩ける自分でいる、認知症にならず元気でいる等外出の目的はおっくう群・非おっくう群に有意な差はなかった。これらから、高齢者学級・奉仕活動参加者においても、おっくうと感じることが外出頻度の減少につながる可能性が示唆された。また、おっくうと感じながらも自主的な活動に参加している地域高齢者は外出への後ろ向きの思いがある一方、外出する目的があることで外出行動につながり、社会活動を維持できていることが考えられた。 上記の結果をふまえ、ナッジを活用した社会活動維持方策を構築するため、先駆的にナッジを活用した事業を展開している北海道行動デザインチームの職員5名(オブザーバー1名含む)、地域高齢者の社会活動の現状に詳しい専門家である地域包括支援センターの保健師1名に令和5年7月グループインタビューを行った。地域高齢者が社会活動参加に至る具体的な行動プロセスをより明確にする必要があることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度予定していたアンケート調査が新型コロナウイルスの影響により、約1年遅れでの実施となり、以降1年遅れの状態で進んでいる。令和5年度は社会活動維持方策案の構築に向け、詳細を詰めている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、引き続き社会活動維持方策案の構築を進める。その後、構築した案を基に介入研究にてベースライン調査を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度の計画では、社会活動維持方策案を構築する予定であった。専門家から助言をいただきながら案を検討しているが、社会活動維持方策案の構築まで至っておらず、予定していた支出が生じなかったため、次年度使用額が生じた。 引き続き、社会活動維持方策案の構築と介入研究に係る費用を令和5年度の残額で計画的に使用する。
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