研究課題/領域番号 |
21K10993
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
内田 陽子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (30375539)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 認知症デザイン / ユニバーサルデザイン / コントラスト / UDフォント / 色付き包帯 / 点滴自己抜去 |
研究実績の概要 |
研究の成果について、認知症の人に認識しやすいデザインを各種作成した。具体的には服薬を促すデザイン、点滴していることを喚起するデザイン、歯磨きを促すデザインなどに加えて、経管栄養をしているデザイン、夜寝るデザインなどを作成した。デザインはピクトグラム、人間の形に近い漫画的なもの、マスコット風のものと多様なものを作成した。デザインについては複数の正常な人間が白内障眼鏡をかけて、明度、コントラストを確認した。確認したデザインはプロの人に完成してもらった。研究実施については、服用管理デザインに注目して、忘れないように服薬するための複数のデザインカードについて、実際の在宅療養中の高齢者にわかりやすいカードを選択してもらい事例研究としてまとめた。結果、色のコントラストに加えて、患者の落ち着く色の組み合わせ、文字の太さなどが影響していることが推測できた。結果として、カード使用後は服薬を忘れる事もなく、服用が継続できていた。また、認知症の患者さんが点滴自己抜去することを予防するデザインには色付き包帯が有効と考え、介入研究を実施した。数例の実施段階であるが、色については対象者の好みが重要と考え、本人・家族に選択してもらい、点滴挿入部に色付き包帯をまくと、自己抜去がみられなかった。また、経鼻チューブのデザインについては、自己認識・ボディイメージが困難である認知症高齢者に対して活用し、チューブの自己抜去はなかった。現在、まだ、数例の介入研究のため、今後、事例を増やしての研究を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究責任者である内田陽子が2023年開催の学術集会の大会長になったため、時間が取れなかった。
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今後の研究の推進方策 |
計画的に事例を増やしてデザインの検証を図ること
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次年度使用額が生じた理由 |
介入研究の事例が集まらなかったため。次年度においては介入のための予算を確保した。学会発表費用なども含む。
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備考 |
認知症デザインにヒントとなるような会議場面などの情報を掲載している
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