研究課題/領域番号 |
21K10999
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
三上 千佳子 宮城大学, 看護学群, 准教授 (90549990)
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研究分担者 |
武田 淳子 宮城大学, 看護学群, 教授 (50157450) [辞退]
高橋 和子 宮城大学, 看護学群, 教授 (00315574)
原 瑞恵 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (10527427)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 在宅人工呼吸療法 / 災害 / 支援者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族の支援者のための災害サポートプログラムを開発することである。この目的を達成するために,災害の準備期ならびに自然災害発生時において,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族の支援を体験した経験者による活動の実態を明らかにし,支援者が捉えた在宅人工呼吸療法中の子どもと家族への支援の課題と支援ニーズを明確にする。そのうえで,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族の支援者に対する災害サポートプログラムを開発する。 令和4年度は,地域で災害支援を担っている方々へのヒアリングを行った。その結果,ヒアリングを行った地域では,災害支援の経験のある支援者はおらず,支援者になっていただく方を募ることから始める必要があることが考えられた。また,地域によっては,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族は,災害時は避難することを検討しておらず,自宅で過ごすことを希望しており,地域住民からの支援を希望していないといった思いも聞かれた。災害時大人一人では在宅で人工呼吸器を使用している子どもを連れて逃げることができないこと,近隣の方が手を差し伸べてくれるが,人工呼吸器を使用している子どもへの関わり方を知らないため支援を頼めないこと,避難すること自体をあきらめる保護者がいること等がある。これらのことから,支援者のニーズを聞き取りする前に,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族の災害時の支援ニーズを明らかにし,支援者となりうる方々と繋がっていける支援方法の検討の必要性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度は,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族の災害時の支援を体験した経験者による活動の実態を明らかにするために,支援者を紹介していただけるよう,地方自治体職員等にヒアリングを行ったが,支援者にあたることができなかった。そのため,令和4年度は新たに,地域で災害支援を担っている方々へのヒアリングを行った。その結果,ヒアリングを行った地域では,災害支援の経験のある支援者はおらず,支援者になっていただく方を募ることから始める必要があることが考えられた。また,地域によっては,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族は,災害時は避難することを検討しておらず,自宅で過ごすことを希望しており,地域住民からの支援を希望していないといった思いも聞かれた。そこで,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族の災害時の支援ニーズを確認するために,医療的ケアを要する子どもと家族の災害時の体験について文献検討を行った。その結果,災害時大人一人では在宅で人工呼吸器を使用している子どもを連れて逃げることができないこと,近隣の方が手を差し伸べてくれるが,人工呼吸器を使用している子どもへの関わり方を知らないため支援を頼めないこと,避難すること自体をあきらめる保護者がいること等が明らかになった。これらのことから,支援者のニーズを聞き取りする前に,在宅人工呼吸療法中の子どもと家族の災害時の支援ニーズを明らかにし,支援者となりうる方々と繋がっていける支援方法の検討の必要性が考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,在宅人工呼吸療法中の子どもの家族へのインタビューを行い,災害時の支援ニーズを明らかにする。そのうえで,支援者にどのような支援を望むのかを検討する。さらに,災害時に地域で支援者となりうる方々の「支援者となること」についての思いを聞き取り,地域住民が災害時支援者として活動することの課題を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度は予定していたインタビュー調査ができなかった。そのため,インタビューにかかる経費の支出がなかった。令和5年度に持ち越した経費は,インタビューのための旅費,インタビューデータの分析のための人件費,謝金として使用する。
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