研究課題/領域番号 |
21K11007
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
飯田 忠行 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50290549)
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研究分担者 |
伊藤 康宏 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 教授 (40176368)
原田 俊英 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 名誉教授 (60181020)
青井 聡美 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (10321217)
池田 ひろみ 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (60448800)
巽 あさみ 人間環境大学, 看護学部, 教授 (90298513)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フレイル / サルコペニア / 骨密度 / 筋量 / 高齢者 / 生活習慣 / 女性 |
研究実績の概要 |
サルコペニアはフレイルの重要な要素であり,サルコペニアは生活習慣病との関連が指摘されている。しかしながら、これらは年齢や体格,性別の影響を受けている可能性がある。そこで,75歳以上の女性に限定し、年齢や体格に関して傾向スコア分析法を用いたマッチングを行い,体力測定を基にサルコペニア疑いの有無に分けた。このサルコペニア疑いに関連するメタボリックシンドローム指標,栄養指標(血液),骨密度検査,体組成検査の比較検討を行った。下腿周囲長が<33cmかつ握力が<18kgの者を,筋力低下を伴うサルコペニア疑い,また,下腿周囲長が<33cmかつ5回椅子立ち上がりテストの秒数が≧12秒の者を,身体機能低下を伴うサルコペニア疑い群とした。筋力低下を伴うサルコペニア疑いの比較においては,骨密度 (p=0.014) および骨格筋量 (p=0.002) で有意な差が認められ,筋力低下を伴うサルコペニア疑い群で低値であった。拡張期血圧 (p=0.051) とHDL-cho (p=0.075) では筋力低下を伴うサルコペニア疑い群で低値であったが、有意な差は認められなかった。身体機能低下を伴うサルコペニア疑いの比較においては,AST (GOT) (p=0.034) では有意な差が認められ,身体機能低下を伴うサルコペニア疑い群で低値であった。HDL-cho (p=0.062)は 身体機能低下を伴うサルコペニア疑い群で低値であったが、有意な差は認められなかった。筋力の低下を伴うサルコペニア疑いの検討では、骨密度および骨格筋量でサルコペニア疑い群が有意に低い値を示した。身体機能低下を伴うサルコペニア疑いの比較においては骨密度および筋量の低下が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において、調査実施時期が遅れた。そして、コロナによって、健康診断の受診枠の人数制限があり、想定していた対象者数を下回っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、対象地域を増やし、対象者を募る。すでに、広島県大崎上島町において、フレイル調査の実施について、快諾を頂き、倫理審査の修正申請を行い了承を得ている。今年度5月に大崎上島町にて調査を行い、約200名の対象者を得る予定である。また、この対象者は、5年間の生活習慣病の継続調査を行っている集団であり、過去に遡った症例対照研究を実施できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍における高齢者を対象とした調査が制限された。また、健康診断の受診枠も制限されたため、当初予定していた対象者数より少なくなった。本年5月より感染症分類が変更され、かつ5月、9月、11月と大崎上島町での調査を予定しており、今年度、調査が実施できるものと考える。
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