研究課題/領域番号 |
21K11010
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
倉林 しのぶ 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20389753)
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研究分担者 |
宮崎 有紀子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (00251190)
赤堀 八重子 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (30700124)
武居 明美 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (70431715)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング(ACP) / 一般市民 / 情報ニーズ / 代弁者 |
研究実績の概要 |
本研究では「一般市民」に焦点を当て、一般の方々が最終段階の医療について「得たい情報」「不明確な知識」等「医学的情報に関するニーズ」を明確したうえで「情報ニーズ」の視点からACPを検討し、ACPファーストステップとなるガイドブックを作成することで,地域におけるACPの普及・推進に寄与することを目的としている。 研究の第1段階である5000名を対象とした質問紙調査を2022年度中に実施し(1386の回収数(回収率27.7%)、2023年度はデータ集計と分析を中心に行った。年代と「人生の最終段階のイメージ」「代弁者の有無」「かかりつけ医の有無」「話し合うために必要な情報」についてのクロス集計等を行い分析をすすめている。また、同時進行で、第2段階として組合員と訪問看護師等を交えた検討会議を開催した。今後、最終年度では、分析結果と検討会議での内容をもとに一般市民向けのガイドブック(第1案)を作成予定である。 本研究では「一般市民」に焦点を当てている点に意義があると考える。地域におけるACPの ファーストステップとして必要な情報を整理したガイドブックを作成することで、健康な一般市民へのACPの普及を進めたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析過程において「情報ニーズ」だけでなく、「人生の最終段階について話し合う相手」の存在についても検討すべき事項であることが示唆された。「人生に最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(厚労省)」の中では、日常的に話し合うことの重要性が述べられているが、わが国の少子高齢化の進行とともに、信頼できる相手を家族以外に拡大することの対策が喫緊の課題であることも確認できた。予定通り第2段階として組合員と訪問看護師等を交えた検討会議も開催しており、最終年度では、分析結果と検討会議での内容をもとに一般市民向けのガイドブック(第1案)を作成予定である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、さらに分析を進め、ガイドブック(第1案)を作成予定としておりその準備を進めている。予定では、第3段階として、ガイドブック(第1案)を用いた研修会の実施と参加者へのインタビュー調査を行う予定であったが、時間的に研修会実施後の参加者へのインタビュー調査が可能かどうかが検討課題である。状況によっては個別インタビューから、一般市民(研修会参加した組合員の方々)を含む第2回の検討会議に変更することも視野に入れている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度については、回収した調査票のデータ分析が中心でありほとんど支出がなかった。また、当初予算としてガイドブック作成費用の見積もりが少なかったこともあり、最終年度のために繰り越しは必要と思われた。年度末からガイドブック作成準備に取りかかっており次年度は、ガイドブック作成と研修会開催費用に予算を使用予定である。
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