研究課題/領域番号 |
21K11012
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
川上 千春 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (70643229)
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研究分担者 |
竹森 志穂 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50807477)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アドバンスケアプランニング / 訪問看護 / 在宅ケア / 終末期 / 家族ケア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、あらかじめ患者と家族と医療従事者が今後の治療・療養、”最期の時”について話し合い、そのプロセスを共有するというAdvance Care Planning(ACP)の考え方をもとに、研究者が開発したACPプロセスシートを基盤にした訪問看護師用のACPプロセスシートガイドを作成し、ガイドの有効可能性を探ることである。さらに、在宅において終末期にある高齢療養者・家族に対して、訪問看護師がACPプロセスシートを用い実践することで、本人・家族にとってどのような有益が得られるのか、ACPプロセスシートの有効性と、実装研究の枠組みを用いた訪問看護師の意思決定支援の実践を評価することである。 まずは諸外国、または国内における「訪問看護師が実践する意思決定支援」に関してスコーピングレビューを実施した。2023年度では、最新レビューとするために、医中誌における主なkey wordを「訪問看護」「在宅介護」「アドバンスケア計画」「意思決定」「死への態度」「緩和ケア」等を使用し、同様のkey wordにて海外論文では検索エンジンをPubMed, CochraneLibrary, CINAL, Embase, PsycINFOを用いて再検索を実施した。さらに、日本における家族看護支援専門看護師が訪問看護の場の中で、どのような意思決定支援に関わる看護実践を行なっているのかを事例研究の手法を用いて見出した。これら2点の結果をもとに、訪問看護師用のACPプロセスシート(訪問看護師版利用ガイド)を作成するまでに至っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度に立案した本研究の目的は、以下の2点であった。 1:先行研究において研究者が開発したACPプロセスシートを基盤にした訪問看護師用のACPプロセスシート(訪問看護師版利用ガイド)を作成し、ガイドの有効可能性を探る 2:在宅において終末期となる高齢療養者・家族に対して、訪問看護師がACPプロセスシートを用い実践することで、どのような効果が得られるのか、ACPプロセスシートの有効性と実装研究の枠組みを用いた訪問看護師の意思決定支援の実践を評価する 本研究目的の1.を達成するため、2023年度では、最新レビューとするために、医中誌における主なkey wordを「訪問看護」「在宅介護」「アドバンスケア計画」「意思決定」「死への態度」「緩和ケア」等を使用し、同様のkey wordにて海外論文では検索エンジンをPubMed, CochraneLibrary, CINAL, Embase, PsycINFOを用いて再検索を実施した。さらに、日本における家族看護支援専門看護師が訪問看護の場の中で、どのような意思決定支援に関わる看護実践を行なっているのかを事例研究の手法を用いて見出した。これら2点の結果をもとに、訪問看護師用のACPプロセスシート(訪問看護師版利用ガイド)を作成するまでに至っている。しかしながら、訪問看護師用のACPプロセスシートを用い実践し、評価するまでには至れていない。 以上のように、計画通りには進展しているとは言えず、遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的1については、2023年度より継続して実施しているスコーピングレビューの論文化を実施していくことと、現在も手掛けている訪問看護師用のACPプロセスシート(訪問看護師版利用ガイド)を形にし、ヒアリングを行いながら有効可能性を探っていく。 目的2については、ACPプロセスシートを訪問看護の現場において活用し、実装研究の枠組みを用いて有効性の評価を示す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
スコーピングレビューを実施したが、論文作成と投稿が未だできておらず、研究成果を形にすることが求められ、本研究の目的が達成できていないと考えられる。2024年度には論文投稿費用、および訪問看護師用のガイドを冊子体として印刷し、それを用いた実践の評価をするための調査費用が必要である。
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