研究成果の概要 |
目的は,急性期病院入院中の認知症高齢者を対象としたボランティア活動のシステム構築開発である。感染予防の知識と急性期病院で経験ある退職看護師に,ボランティアの協力を得た。COVID-19感染症拡大防止対策のもと,ボランティア活動した。急性期病院の退職看護師が,認知機能低下高齢者の傾聴を1日2回3か月間実施し、認知機能低下高齢者の自律神経活動解析を行い,ストレス状況を評価した。自律神経活動は,傾聴後はストレスが緩和傾向にあり、BPSDの出現はなかった。結果は,退職看護師による傾聴はストレスを緩和する有効な方法の一つである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性期病院入院中の,認知機能低下高齢者のBPSD悪化を予防するためには、症状の根底にある思いを知ることが大切である。そのためには,身体抑制や行動制限などがなく,安全でゆったりした環境を提供することが必要となる。急性期病院の多くは,緊急性が高い患者対応が優先されるが,看護師不足によって多忙な環境下にある。そのような中で,認知機能低下高齢者のケアをせざる得ない状況は,認知機能低下高齢者の安全や人権を脅かしている。 認知症サポーターが増え,一般病床の急性期病院で認知症高齢者を支えるための活動を拡大できるような継続支援の仕組みがあれば,身体抑制や行動制限の機会が減少し,BPSDの予防にも繋がる。
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