研究課題/領域番号 |
21K11015
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
白尾 久美子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (80269703)
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研究分担者 |
寺澤 真由 日本福祉大学, 看護学部, 助手 (20878342) [辞退]
丸山 陽子 日本福祉大学, 看護学部, 助手 (60878388)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 診療所看護 / 外来看護 / 生活課題 |
研究実績の概要 |
都市部の診療所外来看護師による患者の生活課題の把握と支援を明らかにする。 都市部の診療所はへき地と比較し地域関係の希薄さが懸念されるため、対象を都市部(人口集中地区)に所在する産科・精神科・歯科以外の診療所外来に従事する診療所経験通算5年以上の看護師とした。データは、標榜の診療科と経験年数、生活課題を気になることとし、気になる来院患者と支援内容等を半構造化面接により収集した。分析は、面接データの逐語録よりコードを作成し、類似性を確認後サブカテゴリ、カテゴリ、コアカテゴリを生成した。 対象者14名、診療所勤務平均12年、主な標榜科は内科・外科・耳鼻科・整形外科であった。結果【コアカテゴリ】3、『カテゴリ』11、サブカテゴリ57を抽出した。【気になる患者の見極め】は、『診療所の地域性から来院患者の特徴を把握』し『日常生活自立の安定性の確認』『日常生活自立が危うい患者の確認』をし、『日常生活自立が危うい患者の状況把握』や『多様な視点から認知症の懸念を察知』していた。【支援のための連携】は、『最初に家族と連携』し、『支援のため地域包括支援センターと連携』『多様な生活課題を他機関へ接続』し、『見守り継続のための診療所と繋がる工夫』がされていた。【支援につなぐ壁】は、『対応困難な生活課題の存在』と『支援へのつながりの障壁』があった。 都市部の診療所外来において看護師は、来院患者の主に日常生活の自立状況から生活課題を推し量り、支援の必要性を確認していた。看護師が捉えていた重要な生活課題は、認知症の早期発見であった。支援が必要な患者に対して家族や他機関と連携し、見守りを継続するため受診中断を予防し、診療所との繋がりを維持する取組みがされていた。虐待等対応が困難な生活課題や来院中断により支援が阻まれる等の課題が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、質的研究を基に量的研究の準備を実施する予定であったが、質的研究の分析に時間を要したため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、質的研究の論文投稿を行い、質的研究の結果を基に、診療所外来における、生活課題の早期発見の状況や、支援の実際について全国調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
量的研究の準備が遅れているため、質問紙調査のための経費として使用する予定である。
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