研究課題
本研究の目的は、大規模な職域集団(鉄道バス事業者従業員約6000名)を対象に、多職種連携によって高血圧発症に関与するリスク因子を同定し、リスクに応じた適切な指導を行うことで高血圧発症予防につなげることである。本研究では最終年度までに、定期健診、心臓病健診および睡眠時無呼吸健診のデータのデータ入力が完了し、新たなデータベースを作成した。また、これらのデータを統合することで高血圧を含む生活習慣病発症の予測因子に関する幅広い分析が可能となった。研究期間全体を通して、食習慣や喫煙習慣と肥満との関連、睡眠関連呼吸障害と高血圧発症との関連、喫煙と高血圧発症との関連等について検討を行ない、研究結果は日本高血圧学会総会等で学会発表を行った。食習慣や喫煙習慣と肥満との関連では、非喫煙者では朝食抜きの食習慣が肥満発症を有意に増加させるが、喫煙者では朝食抜きの食習慣の有無に関わらず肥満発症が有意に増加することを報告した。睡眠関連呼吸障害と高血圧発症の関連についての検討では、非肥満者においても睡眠関連呼吸障害が認められること、さらに非肥満者において睡眠関連呼吸障害と高血圧発症との間に有意な関連が認められることを報告した。この研究成果はHypertension research誌(Hypertens Res. 2024 doi: 10.1038/s41440-024-01612-y)に掲載された。喫煙と高血圧発症の関連についても国際誌に論文投稿中である。これらの研究成果は、産業保健師および産業医による保健指導や健康談話を通して、鉄等バス事業者乗務員の健康管理にフィードバックされている。
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Hypertens Res.
巻: - ページ: -
10.1038/s41440-024-01612-y
Endocrine, Metabolic & Immune Disorders - Drug Targets
巻: 23 ページ: 1483-1490
10.2174/1871530323666230619104853
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K005536/research.html