研究課題
本研究の目的は、積雪寒冷地域内の病院看護部門を対象として、①積雪寒冷期大地震時の病院での災害看護活動に係るリスクの解明、②リスク対応の視点から必要な備えの検討、③これらの結果に基づき「積雪寒冷期大地震に対する病院看護部門の備えガイドライン(詳細版と携帯版)」を開発することの3点である。2023年度は2022年度に引き続き、①および②の結果に基づいて、③「積雪寒冷期大地震に対する病院看護部門の備えガイドラインの開発」を実施した。ガイドラインは活用可能性を考慮し、詳細版(A4判、75ページ)と携帯版(ジャバラ折、名刺サイズ)の2種類を製作した。ガイドラインの構成等では有用性を高めるために情報デザインを用いた。詳細版に関しては2022年度に実施した積雪寒冷特別地域の病院看護部門のトップマネージャー3名を対象としたガイドラインに求めるニーズや具体的な活用方法等に関する意見聴取の結果をふまえ、項目、内容、デザインを検討した。携帯版に関しては2022年度に実施した災害時に効果的に活用できるデザインや情報量等に関する情報収集の結果をふまえ、内容、情報の配置、折り方等を検討した。各ガイドラインの製作過程では積雪寒冷地域の病院で勤務する災害看護の専門家2名からスーパーバイズを受け、内容の適切性など質の確保に努めた。各ガイドラインのデザインに関しては研究者間で検討を重ねた。各ガイドラインは印刷物として製作し、積雪寒冷特別地域内の病院約600施設に郵送した。また、広く活用してもらえるよう、詳細版のガイドラインはデータを公表し、ダウンロードできるようにした。
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