研究課題/領域番号 |
21K11033
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 美佳 福島県立医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (40739281)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 放射線健康リスク / 看護教育 / 地域包括ケア |
研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に実施した実態調査のデータに統計学的分析を加えた。合計241名より回答があり、全体の回収率は16.9%であった。内訳は、福島県内136名(回収率24.7%):福島県外105名(回収率12.0%)であり、福島県外の内訳は、宮城県56名(回収率9.0%)、福井県49名(回収率19.6%)であった。このうち241名を有効回答とした(有効回答率98.2%)。放射線の健康影響への懸念に関する9項目すべてにおいて、起こる可能性は低いと回答した割合は、福島県内の方が多かった。このうち、「不妊」、「白内障」、「胎児への影響」が起こる可能性は低いと回答する割合は、福島県内の方が有意に高かった(P<.05)。放射線への関心についての9項目のうち、気にすると回答した割合が高かったのは「福島第一原発の海洋放出について」のみであった。福島県内よりも福島県外の方が気にすると回答した割合が高かった項目のうち、「洗濯物を外に干す時の空間線量率」については福島県外の方が有意に気にしていた(P<.01)。リスク低減行動に関する10項目について、83.0%以上が行動していないという回答であった。行動していると回答があった項目で最も割合が高かったものは、「水道水を飲まない」41名(17.0%)であった。「モニタリングポストをよく見るようにしている」については福島県内の方が有意に行動していた(P=.004)。放射線に関する情報収集手段として、「政府や自治体のHP・広報」、「友人・知人からの口コミ」については、福島県内の方が有意に高い割合を示した(P<.05)。 2023年度は、放射線健康リスクに対する不安の軽減を図るための教育ツールを開発予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響を受け、面接調査がスムーズに実施できなかった。このため質的研究分析が遅れている。合わせて、影響要因の解明についても分析が進められずにいる。
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今後の研究の推進方策 |
質的研究分析を含めて、放射線健康リスクリテラシーの影響要因の分析を進める。合わせて、オンラインで実施可能な教育プログラムや教育ツールの開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で、予定していた学会や会議が中止やオンライン開催であったことから、助成金が次年度以降に繰り越しとなった。
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