研究課題/領域番号 |
21K11035
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
榎本 佳子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (20637102)
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研究分担者 |
藤尾 祐子 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (60637106)
近藤 ふさえ 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (70286425)
小川 典子 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (30621726)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 排泄自立ケア / 在宅支援サービス / 専門職連携実践 |
研究実績の概要 |
2021年度は、まず始めに要介護高齢者に関する専門職連携実践の文献検討を行った。次に、地方都市に暮らす要介護高齢者の排泄自立を目指した専門職連携の実際と課題について調査を行った。 【研究目的】本研究は、地方都市に暮らす要介護高齢者の排泄自立にむけて、在宅支援サービスを行う専門職が行う連携の実際と課題について明らかにすることを目的とした。【研究方法】A県B市の地域包括支援センターが主催する研修会に参加した専門職72人を対象にアンケート調査を実施し、自由記述で得た回答についてBerelsonの内容分析を行った。【結果】要介護者の排泄自立にむけた連携の実際は、≪個別性に合わせて必要な職種と連携≫、≪情報収集・共有≫、≪PDCAサイクルの実施≫、≪家族介護者への指導≫、≪利用者本人・家族の意思を尊重≫、≪多職種を尊重≫、≪排泄自立にむけた意識作り≫の7カテゴリーで構成されていた。要介護高齢者の排泄自立にむけた課題は、現在の課題と課題解決にむけて必要なことの2つに分けられた。課題については、≪利用者・家族介護者の個別的背景への介入≫、≪医療機関とその他の機関との壁≫、≪連携のための資源不足≫、≪排泄ケアの介入が多様で複雑≫、≪施設側の問題≫など8カテゴリーで構成されていた。課題解決にむけて必要なことは、≪教育≫、≪合意形成のための共有≫、≪パートナーシップ≫、≪倫理的配慮≫など8カテゴリーで構成されていた。【考察】要介護高齢者の排泄自立ケアを多職種で行う際、情報共有の内容や方法、それをどう計画実施につなげていくか、一連のプロセスで検討することの必要性が示唆された。また、排泄自立に関するマネジメント力を高めるための専門職連携教育の必要性も示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本来は直接ケアマネジャーよりインタビューを行い、分析を行う予定であったが、コロナ禍のため実施ができなかったため、量的調査にて自由記述をデータ分析とした。当初予定していた調査方法から変更になったが、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、A県B地区で排泄ケアを受けている要介護高齢者ならびにケアを行っている家族介護者に対してインタビュー調査を行う予定である。そこから、要介護高齢者、家族介護者を中心としたケアのあり方について考えていく。また、A県B地区における包括的排泄自立ケアのモデル案を作成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来であれば、国際学会での研究発表と自立支援を実施している介護老人福祉施設への視察を予定していたが、COVIT-19の影響により実施できなかった。2022年度は、予定していた介護老人福祉施設への視察とモデル案作成後のICTを活用した連携実践ツール試作を目指す。
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