研究課題/領域番号 |
21K11036
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
糟谷 知香江 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30337274)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 遠隔心理支援 / 写真投影法 / 見守り |
研究実績の概要 |
本研究は、オンラインにおいて写真を媒介とする対話を行う形の心理支援の在り方を検討することを目的としている。 2021年度の研究成果は大きく分けて3つある。 1つ目は、オンラインで写真を共有し対話を行う際にどのような課題が生じうるか、予備調査を通して確認したことである。予備調査では、PC操作について一定のスキルを備えている者であっても、オンライン会議システムで画像ファイル(=写真)を共有する作業をスムーズに行えない場合があった。将来的にはPCを使用した経験の少ない者もオンラインでの心理支援を受けられるようになることが望ましいと考えられ、オンライン会議システムの操作についての支援方法を検討することも重要な課題といえる。 2つ目は、研究代表者が担当するオンラインでの講義において、写真を共有して対話するという実践を行ったことである。講義内容と関連する範囲の実践ではあるが、集団場面で実施する際の手順について示唆を得ることができた。今後も写真の用い方等を少しずつ変えながら実践を重ねることを通して集団場面に適した手順を考案していきたい。 3つ目は、関連する概念の検討である。写真を媒介とする対話は対人援助職者による「見守り」の一環にも位置付けられることから、「見守り」の概念の用いられ方について教育現場を例として検討した。「見守り」には、見守られる側が安全な状態にあることを確かめるという意味だけでなく、見守られる側の成長を促す意図を持って敢えて支援を控えつつ寄り添うという意味もあることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、写真を媒介とする対話を「見守り」として活用するための概念整理を進めることができた。また、集団場面で実施する際の手順について示唆を得ることができた。一方で、予備調査を行った結果、オンライン会議システムの操作についての支援方法を検討することの重要性が浮かび上がり、研究実施計画を修正することとなった。全体としては上記の進捗状況と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現段階での検討課題は、(1)写真を媒介とした対話の実施手順を定めること、(2)オンライン会議システムの操作についての支援方法を定めること、の2つにまとめられる。2022年度は(1)に絞って進める。具体的には、写真を用いる対話についての基礎的な検討を目的として、オンライン会議システムの操作に習熟している大学生を対象とした調査を実施する。(2)については、操作マニュアルを作成・配布するだけでなく、研究者が初回に対面での支援も行った方が総合的に多くの利点があると考えられる。しかし、COVID-19が収束したとはいえない現状では実施できるか否か流動的であることから、2022年度には行わない予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19をめぐる社会状況に考慮し、オンラインでの調査と並行して行う予定であった対面での調査を延期した。また、予備調査の結果を踏まえ、当初の予定を変更して基礎的検討を優先させる計画となった。これらのことから旅費の執行と一部の物品の購入を見送った。次年度は変更後の研究計画に即して適正に助成金を用いていく。
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