研究課題/領域番号 |
21K11043
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
佐藤 千津代 四国大学, 学際融合研究所, 特別研究員 (10721938)
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研究分担者 |
富田 真佐子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10433608)
鈴木 浩子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (40468822)
村田 加奈子 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (70381465)
高 紋子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (60759174)
藤澤 真沙子 昭和大学, 保健医療学部, 兼任講師 (70840081) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 訪問看護の特定看護師 / 特定行為実践の阻害要因 / 特定行為実践の促進要因 / 在宅実践モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、特定行為研修を受講した訪問看護師が行う①特定行為実践の現状と効果及び実践を妨げている多面的な要因は何かを明らかにし、②問題解決に向けた特定行為在宅実践モデルを構築することである。 ①の目的について、2021年度のインタビュー対象者(特定看護師5名、医師1名)に加えて、2022年度は新たに4名の特定看護師にインタビューを実施した。分析の結果、2021年度の分析結果からは十分明らかになっていなかった特定行為実践のための阻害要因と促進要因があった。研究開始当初から医師との信頼関係を構築することへの課題があったが、2022年度のインタビューデータからも同様の結果を得た。その他には、在宅医療が充実してる地域では特定行為のニーズが無いことや、医師に手順書を作成してもらうためには組織が関与しなくては特定看護師のみの力では困難であることが明らかであった。特定行為が実践できている看護師は、その地域でどのような活動をしてるか分析を試みた。その結果、地域住民への啓蒙活動、さらに医師が集まる学会で、看護師が特定行為を実践することで利用者や地域に役立っていることを発表していた。また自ら進んで手順書作成にかかわり医師に提示するなど積極的にアプローチしていた。2023年度は明らかになっていなかった多面的な要因について学会発表する予定である。 ②に対しては、1名の対象者の実践が他の特定看護師のモデルとなると考え、事例を分析した。分析結果から、やはり医師との関係構築が重要で、医師にアプローチする方法を考えていた。特定行為の運営規定やマニュアルを作成し実践していた。特定看護師でありながらも特定行為を実践できていない看護師にとって参考になると考える。この事例を事例研究として国際老年看護学会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
対象者(医師・看護師・利用者)へのインタビューデータと質問紙調査から実践モデルを構築する予定であるが、必要数のインタビュー対象者を見つけることができていない。特に利用者に対してのインタビュー対象者を見つけるのは非常に困難である。訪問看護ステーションを通して打診したが、新型コロナ感染を警戒し断られている。 質問紙調査のための基礎資料としてインタビューデータが必要である。そのため質問紙調査も実施できていない。進捗状況として遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1名の医師からはインタビューデータを得られているため、そのデータと文献から質問紙を作成し、在宅療養支援診療所医師に対して質問紙調査をする予定である。今までの特定看護師に対してのインタビューデータから医師との関係が特定行為実践に大きく影響していると考えられる。したがって、今後は医師側から見た、特定行為への認識や考えを調査したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー対象者を見つけることが困難であったことから、対象者への謝金、文字起こし代金などを使用しなかった。また、新型コロナ感染症の状況により移動が困難であったことから対象者に会うための旅費を全く使用しなかった。学会もオンライン開催が主となったため旅費を使用しなかった。質問紙調査のための印刷費、郵送費、人件費も次年度繰り越しとなった。 2023年度は学会発表があり旅費に支出を予定している。さらに質問紙調査に係る費用を使用する予定である。
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