研究課題/領域番号 |
21K11052
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研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
渡邊 友香 名寄市立大学, 保健福祉学部, 助教 (80803387)
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研究分担者 |
永谷 智恵 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (10550725)
加藤 千恵子 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (30331193)
室矢 剛志 名寄市立大学, 保健福祉学部, 助教 (60826163)
荻野 大助 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (40553392)
山田 咲恵 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80791269)
荻原 弘幸 足利大学, 看護学部, 講師 (90737123)
正源 美穂 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 助教 (30840095)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 過疎地域市町村 / 医療的ケア児 / 支援 / 災害時システム |
研究実績の概要 |
1.本研究の目的は、過疎地域市町村で医療的ケア児を支援するための災害時システムの構築に向けた、現状と課題を明らかにすることである。そこで当該年度の調査においては、全国の過疎地域市町村における防災対策や医療的ケア児に関する支援の現状把握を行うため「過疎地域市町で医療的ケア児を支援するための災害時システムの構築に必要な全国アンケート調査」を実施した。2.当該年度の調査では、総務省が2021年4月1日現在で発表した「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法による過疎地域」の全部過疎に該当する650か所の市町村役場防災担当者および保健福祉担当部署宛てにアンケート用紙を送付し、研究協力の承諾後、質問紙に必要事項を記入の上、299名から回答を得た(回収率46.0%)。結果から、災害を経験していない過疎地域市町村は、災害経験のある過疎地域市町村より避難訓練の実施率が低かったこと、医療的ケア児の避難に関する個別計画の作成が進んでいない現状などを把握することができた。その他の詳細な結果分析については、現在作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時は、過疎地域市町村の割合が一番大きい北海道に限定した調査を実施する予定であった。しかし再検討の結果、全国調査が必要であり、当該年度においても基礎的調査として、全国過疎地域市町村の医療的ケア児の災害対策に関する現状把握を行うことへと変更し、他の全ての調査対象地域も全国へと拡大するに至った。 しかし予定していた他の研究調査を全て全国エリアで実施することは、予算上不可能であったことから、研究内容の一部変更を行っている。 申請時に予定していた当該年度の調査は、医療的ケア児家族へのインタビュー調査、医療的ケア児が居住している市町村と、居住していない市町村の住民アンケート調査を実施予定としていたが、「過疎地域市町村で医療的ケア児を支援するための災害時システム構築に必要な全国アンケート調査」へ変更し実施した。この結果分析を現在進めているが、概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度についても一部計画を変更し、申請時に立案していた、北海道における医療的ケア児家族が居住する自治会住民アンケート調査、医療的ケア児家族が居住していない自治会住民アンケート調査を中止とした。2022年度も調査エリアを全国へと拡大し、「過疎地域市町村で医療的ケア児を支援するための災害時システムの構築に必要な全国インタビュー調査」を、医療的ケア児の家族と、その家族が居住している自治会の自治会長・民生委員(児童委員)を対象として実施予定である。 この調査の進捗状況としては、各自治体へ研究対象者の紹介依頼を行っているが、個人情報保護の観点から、対象者確保が非常に困難である状況に直面している。今後は対象者の紹介依頼先の変更も検討し、前進していきたいと考えている。この調査は2022年度~2023年度の2年間をかけて実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時、当該年度の研究計画ではインタビュー調査の予定であった。そのため旅費の支出を予定していたが、研究初年度の当該年度では、全国的な基礎調査が必要となった事からインタビュー調査は中止し、アンケート調査へと変更が生じたため次年度使用額が生じた。今年度はインタビュー調査を開始しているものの、新型コロナウイルス感染症が終息していないことから、対面調査は見合わせZOOMやTELでの調査を実施している。可能な範囲で対面でのインタビュー調査の実施も検討していく予定である。しかしインタビュー調査自体、予定していた北海道地域から、全国エリアを調査対象と拡大変更したことから、予算額内で実施できる方法を検討しつつ進めていく予定である。
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