研究課題/領域番号 |
21K11054
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
青島 京子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (50890026)
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研究分担者 |
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | comfort / 後期高齢者 / 外来がん薬物療法 / 造血器腫瘍 / アセスメントツール |
研究実績の概要 |
本研究は、造血器腫瘍に罹患した外来がん薬物療法を受ける後期高齢者を対象に、治療と暮らしを支える外来看護師間の共通認識を可能とする手段として、後期高齢者の特徴に配慮したコンフォートの状態把握のためのアセスメントツールの作成をすることを目的としており、Phase1~4の4段階に分け研究を進めている。令和3年度は、Phase1についての取り組みを始めた。 Phase1の目的は、外来看護師の共通認識をアウトカムとする造血器腫瘍に罹患した後期高齢者のアセスメントツールの作成のためのコンフォート(心地よいと感じる状態)の様相の把握を行うことである。 方法は、15~20名の造血器腫瘍に罹患した外来がん薬物療法を受ける後期高齢者を対象に、半構造化面接調査を行うこととした。後期高齢者の特徴に配慮したアセスメントツールの作成を目指すため、K.Kolcabaの提唱するコンフォート理論に倣い、身体的・サイコスピリット的・文化社会的・環境的4つのコンフォートの側面から後期高齢がん患者のコンフォートの様相を明らかにすることと計画した。 研究実績として、造血器腫瘍に罹患し外来がん薬物療法をうける後期高齢者の状態の把握を可能にするためのインタビュ-ガイドの作成と後期高齢者への心身の負担に配慮した調査の方法の詳細について検討を行った。造血器腫瘍に罹患し外来がん薬物療法を受ける後期高齢者は、疾患や治療による身体的辛さと生活への支障、回復見込みの不確かさを抱え、平穏な状態の維持が困難な状況である。文献検討から得られた研究参加者となる造血器腫瘍に罹患した後期高齢者の抱える状態を十分把握した上で、調査する環境を工夫し計画することができた。 現在、引き続きPhase1について、条件に合う研究参加者の所属する施設及び患者会を調査しつつ、大学内の研究倫理審査が受けられるように申請をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
造血器腫瘍に罹患し外来がん薬物療法をうける後期高齢者は今後も増加することが予測されるものの、新型コロナウィルス感染症感染拡大の影響を受け、研究協力施設の調整に時間を要した。現在、Phase1について大学研究倫理審査への申請中であり、令和3年度中に計画していた半構造化面接の調査には至らず研究スケジュールはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、Phase1を継続し、調査予定施設及び患者会への研究説明と同意を得て、関係施設の研究倫理審査承認後、半構造化面接調査を行う。調査結果からアセスメントツールの作成のためのコンフォートの様相の把握を行う。 Phase2では、専門看護師及び認定看護師を交えたDelphi法にて、Phase1から作成したアセスメントツール項目の同定をしていく。 Phase3では、再度、調査予定施設及び患者会への研究説明と同意を得て、関係施設の倫理審査承認後、アセスメントツール使用に関するパイロットスタディを行う。 Phase4では、造血器腫瘍に罹患した外来がん薬物療法を受ける後期高齢者のコンフォートに関するアセスメントツールのデータ収集・分析を行い、検証を行う。その後、論文作成を行い、学会発表の準備を進める計画とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、Phase1がスケジュール通り進まず半構造化面接が行えなかったため、調査研究のための貸会議室費用や研究参加者の交通費等の経費が発生しなかった。研究の遂行に伴い、令和4年度はPhase1の調査研究費用が必要となるため、当初計画していた令和4年度のPhase2にかかる費用に上乗せされることとなる。 令和4年度は、Phase1とPhase2を計画する。
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