研究課題/領域番号 |
21K11063
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
蘭 直美 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (80761759)
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研究分担者 |
前田 修子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (70336600)
福田 守良 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (90711094)
森山 学 金沢医科大学, 金沢医科大学氷見市民病院, 教授 (50278131)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | サルコペニア / 認知症高齢者 / 巻笛 / 中鎖脂肪酸 / 口腔機能 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、グループホームに入居しているサルコペニアを有する認知症高齢者に対して、巻笛と中鎖脂肪酸併用による口腔機能の変化から介入効果を明らかにすることであった。 研究協力が得られたグループホームに入居する認知症高齢者87名のうち、選択基準に該当し同意が得られた61名に対し、AWGS2019によるサルコペニアの診断に基づき、検査(握力測定・椅子立ち上がりテスト・In Bodyによる骨格筋量指数)を実施した。そのうち、非サルコペニアに該当した11名を除外し、49名が研究対象者となった。非介入期間と介入期間をそれぞれ12週間設け、介入期間は中鎖脂肪酸による栄養摂取を行い(昼夕の食事に中鎖脂肪酸)、巻笛(1回につき20回を食事前に1日計3回)を併用する群と併用しない群に、性別、年齢、要介護度が偏らないように層別置換ブロック法にて無作為に割付した。口腔機能(舌圧測定、音節交互反復運動、反復唾液嚥下テスト)を非介入期間開始前(1回目調査)、介入期間開始時(2回目調査)、介入期間終了時(3回目調査)の計3回調査し、1回目と2回目の口腔機能の変化(変化量①)と2回目と3回目の口腔機能の変化(変化量②)を両群で比較した。 巻笛や口腔機能検査の実施不可や辞退等による脱落者があり、分析対象者は、巻笛を併用する群(17名)、併用しない群(16名)であった。変化量②について、巻笛を併用する群は併用しない群よりも口腔機能(舌圧、反復唾液嚥下テスト)の変化量が有意に高い結果となった(p<0.05)。 この結果から、グループホームに入居するサルコペニアを有する認知症高齢者に対し、中鎖脂肪酸による栄養摂取と巻笛を併用することで、巻笛と中鎖脂肪酸の併用群は中鎖脂肪酸群よりも、舌圧や反復唾液嚥下テストの変化が大きく、巻笛と中鎖脂肪酸の併用により舌圧や反復唾液嚥下テストの介入効果の可能性が示唆された。
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