研究課題/領域番号 |
21K11077
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大宮 朋子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90589607)
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研究分担者 |
戸ヶ里 泰典 放送大学, 教養学部, 教授 (20509525)
出口 奈緒子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20824204)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | COVID-19パンデミック / 中学生 / 生きる力 Sense of Coherence / 縦断研究 / コロナ前後比較 / 学校所属感 / 親子 |
研究実績の概要 |
対象とする2つの中学校の保護者および生徒を対象に、2021年4~7月に1回(保護者と生徒)、12月~3月に1回(生徒のみ)に調査を実施し、各339件の回答を得た。現在1つの中学についての分析を終え、①コロナ前後でどう変化したか ②コロナ後に入学した生徒はどうであったかについてのおおよその結果を把握することができた。 ①コロナ前からデータを取っていた学年は、男女ともにコロナ後の調査でSOCスコアが上昇した(有意差あり)が、2021年において女子生徒は緩やかに下降し(有意差あり)、一方男子生徒はコロナ後のスコアを維持した。結果として、2021年の男女スコアはほぼ同じ(41.5-41.6, Range13-65)という結果を示した。 ②コロナ後に入学した生徒は、入学直後(2020年初夏)は男女ともに高いSOCスコア(男子45.9,女子42.6)でスタートしたが、2021年春夏は男女ともに有意に下降した。2021年冬のスコアについて、男子は2021年春のスコアを維持したが(44.5⇒44.4)、女子は有意に下降した(40.1⇒39.6)。特に女子生徒は、コロナ前入学の生徒と比較しても最も低いスコアであった。SOC下位尺度ごとに分析したところ、男女ともに2021年の春夏に下降したのは「有意味感」であり、特に女子は2020年春夏、2021年春夏、2021年冬で下降していた。残る2つの下位尺度「把握可能感」「処理可能感」では変化が無かった。なお、コロナ後入学生の保護者のSOCは有意な差はみられなかった。コロナ後入学後の生徒については、「コロナの経験をどう意味づけるか」という視点でのケアが必要ではないかという示唆を得た。もう1つの学校については現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍ではあったが、学校の協力をえて2021年には2つの中学校で2回の調査をすることができた。現在分析中であり、また2022年の調査に向けて準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年も2回の調査を予定している。7月までに保護者及び生徒の親子調査、冬は生徒のみの調査を2つの中学校で実施中である。コロナ前入学とコロナ後入学の生徒についてのSOC推移の分析を今後行い、論文発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会がオンライン開催になったため。
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