研究課題/領域番号 |
21K11081
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加古 まゆみ 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (90347542)
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研究分担者 |
水川 真理子 神戸市看護大学, 未登録, 特任教員 (50863742)
森山 美知子 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (80264977)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プライマリケア看護 / 専門性 / 看護カリキュラム / 国際比較 |
研究実績の概要 |
第一フェーズである、オーストラリア国内の大学で看護学部がある大学を対象にして、オンライン調査を実施した。プライマリヘルスケアに関しての講義の開講状況とともに、この分野に関する演習・実習に関しての調査である。調査は、対象大学38校に対して、科目の担当者回答率約40%で返答を得ることができ、またその回答者からインタビュー候補者を募った。第二フェーズとして、オンラインでのインタビューを8名に実施することができた。インタビューは、同大学から参加者は1校のみであったが、そのほかの参加者は、全てオーストラリア全国からの参加者であった。フェーズ1の結果より、オーストラリアでは多くの大学がプライマリヘルスケア看護に関する科目を設置していることがわかった。 大学学部教育では、多くの大学がプライマリケア看護を看護学の基盤と捉えながら、演習や実習に反映されるような座学を実施しているが、実習に関しては、学生配置数が限られるために、学生は様々なプライマリケア場面での実習を経験していることがわかった。この点においては、今後日本国内でもカリキュラムの改正により地域在宅看護の単位が増えたことにより、看護教育のあり方として参考になるのではないかと考える。
大学院教育においては、プライマリケアの分野が多岐にわたるために、「プライマリケア看護」プログラムとして実施している大学は数少なかった。より専門的なコースとして専門看護師コースのような包括的学位をして提供している大学がより多くみられた。インタビューでは、当該分野をカリキュラムの中に、どのように据え置くかは、多く学長の意向によって決定されており、その意向によって、学内での該当分野に関する研究や教育方法(特に該当分野に関した)に特色が出てきていると考察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
オンライン調査対象となるサンプル数が比較的小さかったこと、またインタビューに応じた参加者のデータ収集が、比較的集中して実施できたことが考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、対象国が豪国の一国であったが、対象国をプライマリケアが医療システムの基盤として確立している、イギリス、カナダ、スペインを対象に広げて、オンライン調査とともに、インタビュー調査を実施する予定である。現在、倫理申請内容の変更届を提出しており、申請が承認されれば、データ収集を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度中に得られた結果を基に論文の作成を終了し、校正を実施することが前年度中に終了しなかったために次年度への使用額が生じた。次年度、日本語での学会発表予定であるが、この結果をもとに、豪国で研究の助言をしていただいたアカデミックも交えて、英文論文への投稿を行う折の校正料として使用予定である。
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