研究課題/領域番号 |
21K11096
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
佐藤 美樹 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (90749540)
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研究分担者 |
金子 仁子 東京情報大学, 看護学部, 教授 (40125919)
田口 理恵 共立女子大学, 看護学部, 教授 (90301126)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | エンパワメント / 家族 / 親 / 育児 / 乳幼児 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、2017~2021年度科学研究費(基盤研究C)で開発した「幼児を持つ親の家族エンパワメント尺度(Family Empowerment Scale for Parent with Toddlers:以下FES-P)」を用いて、家族支援に活用できる家族エンパワメントのアセスメントシートを開発し、その活用方法と効果的な支援方法を明らかにすることである。2022年度は、以下の1)~3)を実施した。 1)FES-Pの共分散構造分析によるモデルのさらなる検討を行った。分担研究者とディスカッションを実施し、子育て期の親の家族エンパワメントの5つの下位因子のパスの方向と因子間構造の検討を実施した。確認的因子分析の結果では、先行研究と同様に「家族との関係性」「育児の効力感」「地域とのつながり」「親役割達成感」「サービスの認知と活用」の5つの因子を1次因子、「家族エンパワメント」を二次因子とする構造モデルが確認された。FES-Pは、子どもの年齢別の4群(0歳、1歳、2歳、3歳)のいずれについても、信頼性係数は十分な高さを示しており、内的一貫性からみた尺度の信頼性が確認された。 2)FES-Pの実践現場での活用について、2021年度に実施した0~3歳児を持つ親を対象にした調査結果を関連する学会で発表し、保健師、薬剤師、看護大学教員等と意見交換を行った。 3)2023年1月から、自治体の乳幼児健康診査(1歳6か月、3歳)にて、父親・母親への自記式質問紙調査を実施中である。3月末時点で、1054名の回答が得られた。調査終了予定の2023年5月以降に分析に入る計画である。 今後は、父親・母親ペアデータを分析し、より早期に家族エンパワメントの低い家族を見出し、子育て期の家族に対しての効果的な子育て支援のあり方を検討していく計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、自治体の乳幼児健康診査(1歳6か月、3歳)の場でアンケート調査を2023年5月までの計画で実施中であり、1回目の調査で2回目の調査の同意の得られた対象者へは1年後の継続調査を実施する予定である。今年度は乳幼児健康診査での活用可能性の検討を行うことができ、おおむね計画どおりに進められたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、2022年度から実施している自治体との共同研究を2023年5月までの予定で継続して進めることである。次の計画としては、同意の得られた対象者への1年後調査の準備を行うとともに、さらに調査対象を拡大しての調査計画の検討を進める。調査対象としては、自治体の育児相談や乳幼児健康診査に来所の保護者に加えて、子育て支援サービスを利用する保護者等を検討している。また、関連する学会において、成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の未使用額については、自治体との共同で実施しているアンケート調査の継続、調査補助者の人件費、研究成果公表に関する経費(学会発表・論文の投稿)、調査のため自治体や施設等に出向くための旅費等に使用する。よって、次年度使用額も含め、予定通りの遂行が見込まれる。
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