研究課題/領域番号 |
21K11108
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
藤原 聡子 日本福祉大学, 健康社会研究センター, 客員研究所員 (60632429)
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研究分担者 |
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
辻 大士 筑波大学, 体育系, 助教 (90741976)
宮國 康弘 日本福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (90734195)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ソーシャル・キャピタル / 認知症 / 高齢者 / 地域づくり |
研究実績の概要 |
本研究では、高齢者大規模縦断データを活用し、①地域のソーシャル・キャピタルと認知症発症との関連と、②通いの場による地域のソーシャル・キャピタルの醸成から認知症発症の抑制に至るメカニズムを検証し、認知症予防を推進する地域づくりのための根拠資料を得ることを目的とする。2022年度は、①「地域のソーシャル・キャピタルと認知症発症との関連」について取り組んだ。2021年度に整備した日本老年学的評価研究の9年間の縦断データセットを用いて、地域単位で集計したソーシャル・キャピタルを説明変数、認知症を目的変数とした、マルチレベル生存分析を行った。認知症は介護保険賦課データにある「認知症高齢者の日常生活自立度」のランクⅡ以上と定義した。その結果、社会参加が盛んな地域に暮らす高齢者は、認知症発症リスクが低いことが明らかとなった。この成果について、学会発表、論文化を行い、現在英文誌に投稿中である。また、②「通いの場による地域のソーシャル・キャピタルが醸成」に関する検証については、2016年と2019年のデータを結合した3年間の縦断データセットを作成し、3年間で地域のソーシャル・キャピタル(社会参加割合など)が増加した自治体を抽出後、対象自治体で地域のソーシャル・キャピタルが増加した要因について、インタビューとフィールド調査を行う予定であった。しかし、類似の研究が既に実施されていたため、研究会への参加や協力自治体との会議などで知見の収集に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、①「地域のソーシャル・キャピタルと認知症発症との関連」について、整備したデータを活用して分析を進めた。その成果を学会発表、論文投稿をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、②「通いの場による地域のソーシャル・キャピタルの醸成から認知症発症の抑制に至るメカニズム」を検討するために、日本老年学的評価研究によって得られたデータを整備し、分析に着手する。研究成果については、学会発表や論文執筆を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューとフィールド調査を予定し、調査の調整を試みたが、類似の研究が既に実施されていたため、知見の収集に努めることとした。また、予定していた国内の移動や会議、学会について、オンラインでの実施となったため、使用額が変更となった。本研究課題に関する成果発表のための会議、学会発表の旅費や英文校正費用、海外雑誌投稿料等に使用する計画である。
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