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2021 年度 実施状況報告書

原子力災害における要配慮者等に関する避難行動の指針およびソフトウェアの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K11113
研究機関鹿児島大学

研究代表者

松成 裕子  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00305848)

研究分担者 新川 哲子  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員教授 (30619482)
吉田 浩二  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (30722392)
柳田 信彦  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (60331154)
中谷 剛  鹿児島大学, 地震火山地域防災センター, 特任研究員 (70155753)
松田 史代  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70437953)
今村 圭子  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70729003)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード原子力災害 / 避難行動 / 要支援者
研究実績の概要

2021年度実施内容
1)研究分担者および研究協力者の医師3名から対象の身体的重症度の評価となる指標について、避難行動のリスク評価に有用な指標の情報収集を行った。その結果、原子力安全研究協会放射線災害医療研究所の山本氏、量子科学技術研究開発機構高度被ばく医療センターの熊谷氏には、直接話を聴く機会を得ることができた。それで、かなり困難を要することがわかった。しかしながら、先行文献、および出版物から、避難行動のリスク評価として指標となる基準をピックアップすることができた。
2)原子力規制庁から出される鹿児島放射線モニタリングデータの入手方法の迅速化については、現在、鹿児島県危機管理防災局原子力安全対策課において、原子力避難情報のアプリを開発し、試験的に運用している情報を入手したことから、開発されたアプリについて、担当者から情報収集を行った。これにより、現在のアプリの機能は、「自治体からの避するお知らせを受信」、「最寄りのモニタリングポストの空間放射線量を確認」、「スマートフォンのGPS機能を使って現在地からの避難経路を検索」、「QRコードを使った素早い受付登録う。」がわかった。これを今回のソフト開発に使用できる部分とできない部分を分析することにした。
3)どの経路でどこに避難するかの情報査定については、鹿児島県危機管理防災局原子力安全対策課担当者から避難経路の道路渋滞の予測データとして、入手可能なデータについての情報収集については、既存の効果情報を入手することができた。それをどの程度の詳細データとするのか、または、避難ルートを大まかに区分し、区分ごとに選択し、対象を当てはめるのか、それともすべてが選択できるように使用するのか、検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実施内容に各項目ごとに理由を記載する。
1)対象の身体的重症度の評価となる指標については、専門家の研究協力者から「避難行動のリスク評価に有用な指標」の情報収集を行い、その結果、かなり困難を要することがわかった。それは、対象の疾患重症度を判定するのに、何をメインとするのか、変数の重み付けに困難を来すことの助言を得た。その点が決定できない難点となっている。そのため、避難行動のリスク評価として指標となる基準をピックアップすることができたが、その難点の解決のために「やや遅れている。」判定としている。
2)原子力規制庁から出される鹿児島放射線モニタリングデータの入手方法の迅速化については、現在、原子力避難情報のアプリが、開発され、試験的に運用していることから、このアプリの機能について、これを今回のソフト開発に使用できる部分とできない部分を分析することになり、この点は計画の通りに進展している。
3)どの経路でどこに避難するかの情報査定については、既存の効果情報を入手することができたので、その使用について、検討している。これは、想定の通りに進展している。ただし、モデルとして対象とする方々の面接インタビューデータが、コロナ禍で、思うようにを得ることができなかった。そのため、やや遅れてる判定となっている。

今後の研究の推進方策

研究実施内容に各項目ごとに推進方策を記載する。
1)対象の身体的重症度の評価となる指標については、専門家の研究協力者から「対象の疾患重症度を判定するのに、何をメインとするのか、変数の重み付けに困難を来す」との助言を得たことから、はやり、福島事故で避難した方々のモデルケールを幾つか作成することにより、当てはまりの良さを判定したいと考えている。それには、モデルとして対象とする方々の面接インタビューデータを遠隔面接により、得たいと考えている。それでも困難場合には、既存のデータを再度、洗いだし、分析することにしている。
2)原子力規制庁から出される鹿児島放射線モニタリングデータの入手方法の迅速化については、計画の通りに進展している。
3)どの経路でどこに避難するかの情報査定については、既存の効果情報を入手することができたので、その使用について、検討している。これは、想定の通りに進展しているので、このままの計画で進める。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のための福島県で予定していた面接インタビュー調査に行くことができなかった。また、研究分担者との打ち合わせ会議をZoomで実施したために、それも移動旅費や会議経費としての出費がなかったことから使用額が少なくなった。それにより、今回実施できなかった面接インタビュー調査を再度、福島県で実施する計画ではあるが、対象者の承諾が得られるかどうかが問題となる。そして、対象者は高齢者となるために感染リスクを下げる必要もある。そのために、滞在期間を取り、もしくは陰性証明を発行してもらうか、もしくは、研究協力者を探す必要がある。そのための謝金と滞在費、検査費を予定する。それにより、次年度使用額と当該年度分として請求する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 福島県内自治体における放射線健康不安対策への取り組みに関する実態調査2021

    • 著者名/発表者名
      越智功太郎、山口拓允、小山珠美、伊東朋子、松成裕子
    • 雑誌名

      福島医学雑誌

      巻: 71 ページ: 57-67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 行政機関の原子力防災担当者が保健師に期待する原子力災害時の役割2021

    • 著者名/発表者名
      小山珠美、山口拓允、伊東朋子、松成裕子
    • 雑誌名

      鹿児島大学医学部保健学科紀要

      巻: 31 ページ: 27-33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 交流集会「原子力災害から10年目の今、看護職としての備えは万全か」2021

    • 著者名/発表者名
      山田裕美子,山口拓允,牧谷美佳,福田未夢,新川哲子,松成裕子
    • 雑誌名

      日本放射線看護学会誌

      巻: 9 ページ: 53-54

  • [学会発表] 福島第一原子力発電所事故後に実践された看護職による放射線リスクコミュニケーションから今後の人材育成を考える2021

    • 著者名/発表者名
      山口拓允,山田由美子,越智功太郎,松成裕子
    • 学会等名
      日本放射線看護学会第10回学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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