研究課題/領域番号 |
21K11118
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研究機関 | 群馬医療福祉大学 |
研究代表者 |
奥野 みどり 群馬医療福祉大学, 看護学部, 教授 (80644484)
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研究分担者 |
廣田 幸子 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (00587678)
矢島 正栄 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (40310247)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 乳幼児の社会性の発達 / 乳幼児健康診査 / タブレット端末 / ASD児 / 行動特性 |
研究実績の概要 |
研究1.乳幼児の社会性の発達等の行動を評価する行動等評価項目選定に向け、ASD児の行動特徴とその介入方法を学ぶための学習会を昨年度から継続実施した。 【結果】本研究は、令和4年5月をもって終了となった。早期発見支援を踏まえた療育の必要性を再認識すると共に、今後のタブレット端末での動画画面の示し方等の学びに繋がった。 研究2.群馬県と共同した乳幼児健診における社会性の発達を評価するSACS-J(Social Attention and Communication Surveilance-Japan)の3歳児健診バージョンのマニュアルと動画が8月に完成した。令和4年中における群馬県内のSACS-J実施状況は、1歳6か月児が80%、2歳及び2歳児6か月児が37%、3歳児が26%である。SACS-Jは複数回の実施により発達に偏りのある児の同定に繋がる。そのため、1歳6か月児から継続したSACS-Jの実施の推奨と、3歳児のマニュアルと動画の周知を目的に、群馬県内保健福祉事務所、保健所、市町村保健師を対象に、研修会を実施した。 研究3.新型コロナ感染症下で実施可能なSACS-Jの検討と実施。【目的】新型コロナ感染症の蔓延によって乳幼児健診は、中止や延期、健診時間の短縮などを余儀なくされ、SACS-J行動観察も中止、内容変更、行動観察項目を減らしての実施など、様々な対応が迫られた。そのため、感染症予防を視野に入れたSACS-Jの実施方法の検討した。【方法】行動観察等の時間短縮や消毒可能物品の検討、接触を減らしたやり取り遊びの工夫を図る。【結果】物品は、消毒可能なラミネート加工をした絵カード等を活用し、やり取り遊びの内容を工夫した(令和4年度第81回日本公衆衛生学会にて発表)。この取り組みは、研究2の研修会内にて周知を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の蔓延に伴い、研究の打ち合わせ等はzoom等で実施した。県や市町村保健師は新型コロナ感染症対応により、打ち合わせ日程の変更が度重なり、当初の打ち合わせ予定よりも進捗は遅れた。また、乳幼児とその保護者との打ち合わせも令和4年度に予定していたが、対面での実施が難しく令和5年度に持ち越すこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
発達障害の早期発見のための各乳幼児健診での社会性の発達等を評価する項目は、令和4年度までにSACS-J(3歳児)をもって、1歳6か月児、2歳/2歳6か月児、3歳児すべてが準備された。令和5年度は、これまでの実績を踏まえ、SACS-J導入における発達障害を含む神経発達症の乳幼児健診での感度等の分析を行う。また、SACS-J行動観察項目に沿った動画の作成に向け、具体的な撮影場面の検討を行う。次に、動画のデモを撮影する(令和5年度後半~令和6年度を予定)。令和7年度編集と信頼性の検討を実施予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画では、令和4年度に動画撮影の準備に入り、業者等との契約に入る予定であり、そのための予算を計上していた。しかし、新型コロナ感染症の蔓延により、撮影等の具体的な明確等の目途が立たなかった。令和5年度及び6年度に業者との契約を含め、撮影に入る予定である。
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