研究課題/領域番号 |
21K11140
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
坂本 陽子 岡山大学, 大学病院, 助教 (80845818)
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研究分担者 |
三橋 利晴 岡山大学, 大学病院, 助教 (30716890)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | COVID-19 / 看護師 / ストレス要因 / メンタルヘルス / アンケート調査 / 計量テキスト分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はパンデミック初期においてCOVID-19感染者に対応した看護師の不安や看護上の課題を明らかにすることである。岡山県が実施した自記式アンケートの自由記載全文の内容および回答者の背景因子について、KHcoderを用いて計量テキスト分析を行い、看護師の心理的負担の要因についての探索的検証を行う。対象者は2020年6月までに岡山県で発生した新型コロナウイルス感染症の26症例目までを受け入れた岡山県内の9病院の看護師のうち、岡山県新型コロナウイルス感染症対策本部が各医療機関に配布した調査票に回答した看護師159人である。今年度はまずは紙媒体の手書きの自由記載文を全文エクセルにまとめ、選択肢項目も含めたデータセットの作成を行った。次に対象者の属性の記述を行うとともに、質問項目の自由記載のうち、下記の3項目に着目し解析を行った。1)受入:コロナ陽性患者を受け入れることについて、2)課題:課題・改善が必要だと感じたこと、3)提案:今後に向けての提案。これら3項目について形態素分析により頻出単語を上位150単語を抽出し、共起ネットワークを作成し共起関係、クラスターの描画を確認した。次に対応分析により勤続年数による使用語句の差異を示した。解析結果から、受け入れについては、不安や不満が強かったことが示された。勤続5年未満では「しょうがない」、勤続10-20年では「不満・負担」が強く、勤続20年超では「当然」という語句の特徴がみられ、COVID-19患者への看護対応においてはどのような役割を担っているかによって意見が異なると思われた。課題については、COVID-19に対応していない部署との感染対策の差や、現場の看護師のメンタルヘルス対応が必要であることが示された。提案については、メンタルヘルス対応や現場の意見を聴く機会を作ることが多く提案されていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
集計、解析は計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は他の項目についての解析、結果の図表作成を行い、論文化に着手する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦で学会や講習会がWeb開催となり、出張費用が予定より少ない使用となったことやスキャナーで読み込めない記載文のデータ入力を外部委託の人件費に計上していたが、感染対策の為、来院できず依頼できなかったため。 次年度使用計画は、資料の購入、学会出張費、論文作成のための英文校正費、投稿費等に充てる予定である。
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