研究課題/領域番号 |
21K11142
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
下元 理恵 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 講師 (60553500)
|
研究分担者 |
山中 福子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (60453221)
久保 亨 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (80325422)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 慢性心不全患者 / 栄養評価 / 学習プログラム |
研究実績の概要 |
心不全は運動療法とともに食事療法が重要であり、特に栄養管理が注目されている。心不全増悪による再入院の誘因は、塩分・水分制限の不徹底が最も多いが、高齢者は加齢によって味覚が低下しやすく、必要以上に厳格な塩分制限はかえって食欲を低下させる。これらのことから、食事摂取量が少ないと簡単に栄養不良に陥ってしまう。心不全と栄養不良の悪循環に陥ると、息切れや倦怠感などの特徴的な症状が増強され、臥床期間が長くなれば高齢者は容易に筋力量が低下し、フレイルやサルコペニアへとつながる。我々が訪問看護ステーションに勤務する医療従事者(以下、訪問ケアスタッフ)を対象に、心不全患者の疾病管理について調査をした結果、心不全患者への塩分管理に対する指導実施の割合が低く、困難に感じている割合が高かった。高齢化や習慣化、環境などによって、在宅においても入院中と同等の塩分管理は難しい。再入院を予防するためには、塩分制限による食欲低下のリスクも併せて、患者の栄養状態の評価とその指導が必要となる。慢性心不全患者の栄養状態の評価は、心不全症状の一つである浮腫によって体重は増加するため、体重だけでは栄養状態が判断できないことから、総合的に評価をする必要がある。 本研究の目的は、訪問ケアスタッフのための心不全栄養評価学習プログラムを開発することである。2021年度は、学内の倫理審査を受審し承認後、慢性心不全の急性増悪によって入院した患者の栄養状態に関するデータを収集した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析に必要なデータ数は確保できたが、解析が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
収集したデータを解析し、結果から慢性心不全患者の栄養状態の評価指標案を作成する。その内容について医師や管理栄養士、看護師などから構成する専門者会議を行い、内容妥当性を検討する。検討した栄養状態の評価指標案を試用し、検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で学術集会がオンライン開催に変更となり、計上していた旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は栄養状態の評価指標案を作成し、作成した評価指標案の検証を行う予定である。
|