研究課題/領域番号 |
21K11145
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
丸山 優 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (30381429)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高齢入院患者 / 活動 / 回復の促進 / 看護実践 / 急性期病院 |
研究実績の概要 |
本研究では、高齢入院患者のmobilityを促進する看護実践の明確化に取り組み、実態調査およびニーズ調査を行う。本年度は、急性期病院に勤務する老人看護専門看護師(以下CNS)12名を対象にインタビュー調査を実施し分析した。対象者の看護師経験年数は8~30年(平均19.6年)、CNS経験年数は1年~12年(平均5.1年)であった。「動き」を促進する看護実践は以下のように整理された。〔入院前の生活と現状を踏まえた生活の目標の設定〕は患者の入院前の生活と入院中の病態や入院生活の様子から生活の目標を設定する内容であり、入院当初から入院前の生活の様子を具体的に把握し「動き」に関する回復の見込みを立て目標を見出し、入院中の変化を踏まえて変更していた。〔随時の適切な「動き」の見極めと発揮の支援〕は日常生活で観察される動作に加えて意図的によく観察しないと気づけない「動き」を観察し変化を捉え、それに合わせて適切な量と範囲の「動き」を導く内容であった。「動き」を阻害する身体的な苦痛や心理的な不安感に対して緩和に向けて関わっていた。〔患者自身の主体的な「動き」の尊重〕は制限のある治療環境で患者が少しでも主体的に動けるよう環境を調整して関わる内容であり、患者の意欲を高めるように関わっていた。〔支援に向けた環境づくり〕は、看護師が個々に関わるだけでなく患者への病棟での看護を継続するために、患者の「動き」を共有できる仕組みや病棟全体の雰囲気を作る内容であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究当初のコロナ禍のために、急性期病院に勤務する看護師であるインタビュー調査の対象者との調整に想定よりも時間を要したため当初予定よりも遅れたが、その後は順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査の結果から明らかになった内容から、mobilityの促進に向けた看護実践行動をリスト化し、実態調査およびニーズ調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査の進行が遅れたこと、国内の学会がオンラインに変更になり旅費が不要であったことや国際学会への参加が不可能だったことから、次年度使用額が生じた。調査は計画に沿って実施し、研究成果の学会等への報告を進める。
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