研究課題/領域番号 |
21K11151
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
今井 一徳 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40865440)
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研究分担者 |
岩田 欧介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30465710)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | トリアージ / NICU / 避難 / 災害 / 病院避難 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、搬送にかかるリソースに重点を置いた定量的なトリアージスケール(Neonatal Extricartion triage; NEXT)が従来型と比較して有用であるかを明らかにすることである。そのために ① NEXTは搬送トリアージとして妥当性・信頼性のある基準か ② 単一施設のNICU避難においてNEXTは従来型に比べ有用か ③ 地域内複数のNICUの避難が必要な状況でもNEXTは従来型に比べ有用か について検証している。
令和3年度は、 ① NEXTは搬送トリアージとして妥当性・信頼性のある基準か について取り組んだ。当院NICUで従来型とNEXTによる評価が行われた患児を後方視的に電子カルテから抽出し、NEXTの構成概念妥当性と検者間信頼性を検証した。この結果従来型トリアージ、NEXTともに、NICUにおける重症化スコアであるNeonatal Therapeutic Intervention Scoring System (NTISS)と高い基準関連妥当性を示し、かつNICUに勤務する医師及び看護師間で高い検者間信頼性を持つことが示された。 さらにNEXTが従来型トリアージに比べて、より広く患者を分類できる(一部のスコアに患者が固まり、患者の順位決定を妨げることをさけることができる)可能性が示唆された。この結果を、Prehospital and Disaster Medcine誌に報告した( PMID: 35388784.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英語論文が既に発表されている。また、多施設研究も概ね準備が整っている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
従来型トリアージ及びNEXTの、NICU勤務者以外での検者間妥当性を検証するため、webアンケートを用いた検証を行う予定をしており、現在準備中である。
また、② 単一施設のNICU避難においてNEXTは従来型に比べ有用か について検討するため、現在すでに得られている単施設のデータを用いた数理シミュレーションを行っている。さらに③ 地域内複数のNICUの避難が必要な状況でもNEXTは従来型に比べ有用か について検証するため、現在多施設研究としてデータ取得のための準備をしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
パソコンの購入を計画していたが、半導体不足の影響で納期が年度内に間に合わず、次年度繰り越しになったこと、新型コロナウイルスの影響で学会に参加できなかったことにより、初年度使用額が予定より減少したため、次年度使用額が発生した。 パソコンについては当初の希望機種の納期の目処が立たなかったため、機種を変更し、令和4年5月現在納入され、今年度は研究成果の学会発表をより積極的に行っていく予定である。また、多施設共同研究が始まるため、データ管理に関する費用が順次発生してくるため、「次年度使用額」とあわせて請求を行っていく予定である。
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