研究課題/領域番号 |
21K11153
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
高見 美保 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (50613204)
|
研究分担者 |
片岡 千明 (近藤千明) 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (40336839)
小西 美和子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60295756)
川田 美和 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (70364049)
徳田 幸代 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (40909719)
島田 なつき 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (10817183) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 超高齢社会 / 認知症高齢者 / 認知症ケアモデル / 認知症ケア要素 / 自尊感情 |
研究実績の概要 |
2022年度は,本研究の目的である「超高齢社会における認知症ケアモデルの構築」に向け,後期高齢期を生き抜いてきた人々が認知症を患いながらも基本的な身体ケア、生活環境の整え、他者との対話交流を受けることで人生の心理・社会的統合を目指すために必要なかかわり,考え方を明らかにするために,日本老年看護学会にて「交流集会」を開催した。 交流集会では,「地域における認知症初期集中支援の取り組み」「認知症の方々の居方・療養環境を整えるケア」「認知症高齢者を支える家族への支援」「認知症看護の実践力を高める教育支援」という4つの観点で討議を重ね,「老いの過程における認知症ケア」として求められる認知症看護について,まとめた。討議の中では,認知症とともに老いを生きる高齢者,という観点でいうと,身心を整える基本ケアと老いを支える療養環境を提供することを基盤として,家族とともに認知症ケアを積み,これらトータルのケア効果として,認知症を有して穏やかな老いの日々を過ごせるか,その中で個々の自我が尊厳が守られるか,ということを見ていく必要がある,という見解を得ることができた。 次年度は,これを踏まえて,75歳以上の認知症高齢者への聞き取りインタビューを実施し,「後期高齢者が認知症と共に暮らすあり方」「後期高齢者の生活環境のあり方」「後期高齢者の身体ケアのあり方」「後期高齢者の他者/社会との対話のあり方」の認知症ケア4要素の検証を進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19の感染予防対応として,2022年の夏季から秋季は,施設入所中の認知症高齢者へのインタビュー調査が設定できなかったこと,分担研究者の退職により,データ収集を含めた研究実施に向けた作業調整に遅れが生じた,ということがあったため。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は,Covid-19の感染対策も一段落を迎えたため,地域在住および施設入所の後期高齢期にある認知症高齢者へのインタビューを計画し,スピードアップしてデータ収集を実施する予定にしている。また,研究準備については,研究協力者として老人看護専門看護師の協力を得ながら,計画的に進める予定にしている。 また,データ分析については,3名の分担研究者とともに,老人看護に知己の深い研究者や地域医療で活躍している医師にもアドバイスを受けることで,作成するケアモデルの精練にも励みたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年夏季~秋季のCovid-19感染拡大により,予定していた認知症高齢者への直接インタビューが実施できず,インタビューに使用する予定の旅費,インタビューデータ整理等に発生する費用,学会発表等の予定が流れたことで,予算執行が遅れた状況となったため。
|