研究課題
基盤研究(C)
脳における活動依存的な可塑性は学習の神経基盤であり、一次運動野(M1)では運動におけるスキル学習にも関与している。本研究ではV層のシナプス可塑性のメカニズムを明らかにするために、電気生理学実験、多光子顕微鏡による形態観察、またマイクロダイアリシスによるアセチルコリン分泌の定量評価を行った。運動学習後には抑制性シナプス電流の発火頻度が減少する脱抑制とともに、運動直後からスパインヘッドの増大が観察された。さらにアセチルコリンと運動スコアとの有意な相関が観察された。
神経科学
AChによる興奮性活動の上昇はM1ニューロンのスパイン可塑性を含めた神経可塑性を誘発するトリガーとなると考えられる。本研究により、M1のV層における細胞特異的なシナプス可塑性様式および、アセチルコリンの役割が明らかになった。